「研究分野別」世界大学ランキング、東大がアジア1位 京大は9位日本勢は研究への投資停滞で苦戦(2/2 ページ)

» 2022年04月07日 18時16分 公開
[秋月かほITmedia]
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最も多くランクインしている科目

photo 日本の大学における最上位の5つの科目

 日本の大学の科目の中で最も多くランクインしている科目は、「医科学」だった。医科学では31の科目(プログラム)がランクインしているものの、東京大学の医科学は昨年の29位から42位へとランクダウンした。なお日本の化学は24科目、生物科学は23科目がランクインしていた。

 QS社の上級副社長であるベン・ソーター氏は、「日本が世界大学ランキングで成績不振になっている一因は、科学・技術の研究に対する日本の支出が過去10年間に世界の多くの競合校に遅れを取ったという事実にあると考えています。大学ファンドなどの新たな政策イニシアチブは正しい方向に向かう一歩であるものの、少なくともこの先5年は、それらの効果が私たちのランキングで可視化される可能性は低いと思われます」と述べている。

 さらに「中国は、博士号課程の学生数を安定的に増加させていて、25年までに(科学・技術・工学・数学の教育分野を総称する)STEM教育を専攻する学生は米国の約2倍になると予想されています。これに対し日本は、博士号候補者に十分な資金を提供してこなかったので、ここ20年、博士号候補者数の一貫した減少が見られます。イノベーション、イノベーター、大学への限られた投資が結果的に研究成果減少となり、世界大学ランキングの結果に直接的に現れています」と続けた。

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