タピオカブームは終焉しても、ゴンチャの店がどんどん増えている理由週末に「へえ」な話(4/5 ページ)

» 2022年04月17日 08時00分 公開
[土肥義則ITmedia]

タピオカ屋にはなりたくない

 またまた話が変わって申し訳ない。ゴンチャでタピオカをトッピングする人は、どのくらいいるのだろうか。ブームのときは90%を超えていたが、いまは82%ほど。「ブーム終焉」という言葉をよく耳にしていたので、半分ほどに落ち込んでいるのかなと思っていたが、10ポイントほどの減少にとどまっている。

 このことについて、同社でマーケティングを担当している越智大志さんに聞いたところ「タピオカではなく、ナタデココやフルーツをトッピングする人が増えてきている」そうだが、この変化を前向きに受け止めているようだ。

ビギナーの多くはトッピングにタピオカを選ぶ

 ビギナーの多くはトッピングにタピオカを選ぶが、リピーターになると違うモノを選ぶ人が増えてくるという。つまり、全体の売上構成比の中で、タピオカの存在感が低下しているということは、「固定ファンが増えてきている」とも言えるのだ。

 もう1つ、越智さんは気になることを言っていた。それは「当社はタピオカ屋になりたくないんですよね」と。タピオカを扱っている、しかも減ったとはいえ8割ほどの人が注文しているのに、なぜ「タピオカ屋になりたくない」のか。誤解している人が多いかもしれないが、ゴンチャ1号店のプレスリリースを見ても(2015年)、「タピオカ屋」とはうたっていなくて、「台湾ティー専門店」と記されている。

 海外ではお茶にさまざまなモノを入れて楽しむ文化があって、その中のひとつにタピオカがある。ただ、日本ではお茶の中に何かを入れる文化は根付いていない。紅茶にレモンやミルクを入れる人は多いが、それ以外のモノを入れる人は少ない。そういった文脈で考えると、これまでになかった食文化が若い女性を中心に、じわじわ広がってきているとも言える。

 ただ、ここで疑問が残る。なぜ若い女性が好んでいるのか、である。古今東西、おじさん発の新しい食文化はあまりないかもしれないが、「このタイミングで」「若い女性が」というキーワードに何らかの意味が含まれているのかもしれない。

 この疑問を越智さんに尋ねたところ、「あくまで仮説ですが……」と前置きをして、次のような答えが返ってきた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.