ヤマト配送員の親切な姿がTwitterで称賛 背景に「地域社会から信頼される企業」

» 2022年04月28日 18時29分 公開
[今野大一ITmedia]

 ヤマト運輸の配送員が、車いすに乗る人をサポートした動画がTwitter上で称賛されている。動画には車いすに乗る人が、車道から歩行者通路に移るときの段差で前に進めなくなっているところに配送員が駆け寄り、段差のないところまで押してあげる姿が記録されていた。この動画は4月28日午後6時現在で、90万いいねが付けられている。親切な行動の背景に、ヤマトグループの企業姿勢が垣間見えた。

ヤマト運輸の配送員(同社提供、写真はイメージ)

 ヤマト運輸の広報に、今回のような行動を社員に推奨するマニュアルなどがあるのか問い合わせると以下の回答があった。

 「マニュアルはありませんが、当社は、公共の道路を使用させていただき、日々の業務を行っているため、地域の皆さまの安全や安心を確保することは、重要な責務であると考えております」

 またヤマトグループ企業理念の「企業姿勢」には、「地域社会から信頼される企業」と記述され、以下の文言が掲げられているという。

 「ヤマトグループは、地域社会から信頼される事業活動を行うとともに、豊かな地域づくりに貢献します。特に、障がいのある方を含む社会的弱者の自立支援を積極的に行います」

 ここに「障がいのある方を含む社会的弱者の自立支援を積極的に行います」と明記されていることに注目したい。

 実は、障がい者がレストラン、カフェなどで働く飲食サービスを、最初に始めたのはヤマト運輸『クロネコヤマトの宅急便』の生みの親である故・小倉昌男元社長なのだ(関連記事:松屋フーズ、ヤマト、KDDI、第一生命 先進企業に探る「障がい者雇用」の本質を参照)。ベーカリーチェーン「スワン」を1998年に設立。障がい者の自立と社会参加の支援を目的としてヤマト福祉財団を設立したのが始まりで、多くの障がい者が働いている。

接客に励むベーカリーチェーン「スワン」の女性スタッフ(以下ヤマトホールディングス提供)
「スワン」でパンを作る従業員

 今回の配送員の行動には、小倉昌男元社長や同社の企業姿勢が表れている。ヤマト運輸はTwitterアカウントの中で、「昨日の当社社員の行いに対して多くのお褒め、労いのお言葉ありがとうございます。該当の社員とは連絡がとれており、これまでの他の模範となる取り組み同様、社内での共有を行ってまいります」とコメントした。

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