ハンバーガー業態のコロナ禍での好調ぶりは、マクドナルドの日本マクドナルドホールディングス(HD)と、モスバーガーのモスフードサービスの決算(連結)に如実に表れている。
日本マクドナルドHDの20年12月期における売上高は2883億円(前年同期比2.3%増)、営業利益は313億円(同11.7%増)で、増収増益。21年12月期に至っては、売上高3177億円(同10.2%増)、営業利益345億円(同10.3%増)と、売上高も営業利益も2桁増だった。
また、モスフードサービスの21年3月期の売上高は720億円(前年同期比4.3%増)、営業利益14億円(同34.1%増)で、増収増益。22年3月期では、売上高784億円(同9.0%増)、営業利益35億円(同144.2%増)となった。
大手2社は、特に利益面で見ると絶好調だ。
両社が強いのは、郊外、それもロードサイド店だ。公共交通の電車やバスに比べて、新型コロナウイルスの感染リスクが低いとされるマイカーでお店に行って、ドライブスルーやテークアウトで商品をピックアップするケースが増えた。
デリバリーにも強く、家でテレビや映画を見ながら、ハンバーガーを食べる人が多い。ハンバーガーは、動画を見たりゲームをしたりしながらの食事に向いている。
マクドナルドもモスバーガーも、もともと店内飲食よりもテークアウトの比率が高かった。政府、地方自治体が感染リスクを抑えるために、店内飲食よりもテークアウトを推奨。すると、テークアウト向きの店ということで、コロナ禍で外食全般が大苦戦しているにもかかわらず、売り上げが増えた。
同じテークアウトに強いという理由で、「KFC(ケンタッキーフライドチキン)」の日本KFCホールディングスも業績を伸ばしている。KFCでは「チキンフィレサンド」「和風チキンカツサンド」というチキンバーガーのメニューを持っている。
同社の21年3月期における売上高は897億円(前年同期比12.6%増)、営業利益は64億円(同32.8%増)であり、2桁の増収増益と絶好調だった。22年3月期決算でも、売上高975億円(同8.8%増)、営業利益は61億円(同3.9%減)と微減ながら経常利益は69億円(同26.2%増)と大幅に増えた。増収増益の基調は変わらない。
この状況を見て、時短や休業に迫られた外食業者が、コロナ禍ならばビーフやチキンのハンバーガーが狙い目と考えるのは当たり前ではないだろうか。
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