高級食パンのブームが去ったと、今年に入ってよく報道されている。SNSには、高級食パンの店が潰れていたという“閉店情報”の書き込みも目立ってきた。
実際、以前にできていた行列がなくなっていたり、飛ぶように売れていた商品が夜の帰宅時にまだ残っていたりと、1店当たりの売れ行きが鈍っていて、飽和点に近づいているのではないかと感じることがままある。
参考までに、「開店閉店.com」という全国における店舗の開店と閉店をまとめたWebサイトを見てみよう。過去半年のパン・ベーカリーの開店と閉店は、2022年3月(開店56/閉店16)、同年2月(開店40/閉店10)、同年1月(開店32/閉店23)、21年12月(開店59/閉店50)、同年11月(開店66/閉店8)、同年10月(開店77/閉店14)となっている。
パン・ベーカリーのカテゴリーには、高級食パン以外の業態も含まれてはいるが、おおよその傾向はつかめるはずだ。高級食パンを含めたベーカリーショップの出店意欲は相変わらず旺盛だが、閉店も少なくない。
昨年12月の閉店が50店と多いのは、首都圏で39店を展開していた「HOKUO」チェーンが一斉閉店したからだ。HOKUOは1988年から小田急電鉄が長く経営してきたベーカリーで、総菜パン、菓子パン、サンドイッチが中心。駅前に店舗があったため、コロナ禍のステイホームにより電車に乗る人が減ると、大きな影響を受けた。なお、HOKUO店舗のうち小田急沿線の10店は、神戸の「ドンク」に譲渡されて、順次オープンする。
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