高級食パンはどのような勢力図になっているのか。まずは、各社の公式webサイトから、単純に主なチェーンの店舗数を数えてみた。19年1月6日付の店舗数は、後述する記事(筆者が過去に執筆)を参考にしている。また、「HARE/PAN」「ラ・パン」「本多」「い志かわ」については、「食べログ」などネット上の情報から割り出した。
岸本ファミリーの最新店舗数は、ふじたん(藤田真嗣)氏が運営するWebサイト『まいぱん』より、「岸本拓也さんがプロデュースした高級食パン専門店の全店舗一覧【2022年4月最新】」をベースにしている。また、開店閉店.comも参考にした。「銀座に志かわ」「ワンハンドレッドベーカリー」は、運営会社に直接聞いた。なお、銀座に志かわの最新店舗数は3月31日現在の数字となっている。
【主要高級食パンチェーンの国内店舗数(左が19年1月6日、右が22年4月10日)】
こうして見ると、店舗数からいくつかのグループに分けられそうだ。岸本ファミリーと乃が美はトップを争う最大手第一集団。
一本堂、銀座に志かわ、HARE/PANは、店舗数100を超えた大手第二集団。
ラ・パン、嵜本、高匠は、30〜50店ほどの中堅の第三集団。
panya芦屋、本多、レブレッソ、い志かわ、ワンハンドレッドベーカリーは、10〜20前後の小チェーンで第四集団。
あとは、地元に愛される個人店や3〜5店程度のごく小さなチェーンが多数ある構図だ。
高級食パンがブームだといわれ始めた19年1月6日付で、筆者は「東京と大阪の“抗争”が激化 今年も高級食パン戦争から目が離せない」という記事を書いている。その頃の最大手は、一本堂の113店で、乃が美が111店と肉薄していた。3年で勢力図は一変した。一本堂も乃が美も大阪出身で、東京勢も「セントル ザ・ベーカリー」や俺のベーカリーが出現しており、品質では負けないといった構図だった。
岸本ファミリーは東京郊外の清瀬と横浜の菊名に考えた人すごいわ、東京の中野に「うん間違いないっ!」、相模原市の橋本に「これ半端ないって」を出店していて、4店があるのみだった。そこから怒涛(どとう)の勢いで出店を重ねていくのだ。
銀座に志かわはまだ銀座に1店あるだけだった。水にこだわる、独特の和風の風味でこのチェーンも伸びた。
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