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愛犬と一緒でも仕事はできる? ペット同伴ワーケーションをやってみた1泊2日

» 2022年05月28日 07時00分 公開
[豆柴しば子ITmedia]

 “愛犬ファースト”の生活になり、わんこだけを家に残して旅行することは考えられない。愛犬を連れてワーケーションはできないのか──。コロナ禍で筆者は悩んでいた。

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 テレワークが浸透し、ワーケーションという言葉もよく聞くようになった。筆者は、オンライン会議の相手がリゾート施設から出席するという場面にもよく遭遇している。一方、コロナ禍では在宅時間が増え、ペットを飼う人も増加。筆者もペットを迎え、すっかり“愛犬ファースト”のライフスタイルに移行した。

 テレワークを長く続けているので、そろそろ旅行にいきたい──。旅行するならペット同伴が当たり前だ。しかし愛犬と旅行に行くとなると、ペットのお世話をするアイテムが必要になる。それにワーケーションするためのアイテム、自分の荷物まで含めると大荷物になってしまう。

 そこで、ペットのアメニティーを完備していて身軽に行けること、海を見渡せるロケーションで気分転換ができること、愛犬家のSNSでも見かけることが多いことなどの条件からホテルを探し、1泊2日でワーケーションを実施することにした。

photo 筆者は「伊豆高原わんわんパラダイスホテル&コテージ」を選び、1泊2日でワーケーションを実施

1泊2日のスケジュールは?

 今回の日程表は次の通り。移動時間も仕事をしたいので、ワークスペースを確保できる特急列車を使い、できるだけ業務に影響を及ぼさないように仕事時間を確保した。

【1日目】

10:00 都内の自宅を出発

12:00 特急列車乗車中にメールの返信作業

12:30 駅で購入したお弁当で昼食

13:00-14:30 列車乗車中に資料作成

14:50 ホテル着

15:00-16:00 客室でオンラインMTG、メールの返信作業

16:30-17:45 愛犬と施設内を散歩

18:00-19:30 愛犬を連れて家族で食事

20:00 入浴

21:00-24:00 資料作成などの作業

24:30 就寝

【2日目】

7:00 起床、支度

8:00-8:30 メールチェック

8:30-9:30 朝食

9:30-11:00 夫が愛犬を散歩させている間にメールの返信作業やオンラインMTG

11:00 チェックアウト

11:15 ホテルを出発

12:00-13:30 特急列車の間にメールの返信作業や資料作成

13:30 愛犬を散歩

14:00-15:00 電車で帰宅

15:30-18:00 自宅でオンラインMTGや作業


実際、仕事はできる?

 今回の旅行で、実際に働くことができた時間は2日間で12時間程度。夜遅くや自宅に帰ってから、旅先でできなかった作業をまとめてやることにはなったが、「ペット同伴でも意外と働く時間を確保できた」と思っている。

 移動中、愛犬はケージの中でおとなしくしてくれていたので、筆者は問題なくPC作業ができた。宿に着いたばかりの頃、愛犬はソワソワしていたが、施設のスタッフが優しく接してくれたのでリラックスできたようだ。筆者が仕事中も、夫が代わりに遊んでくれたおかげで環境にも慣れ、客室で寝転がっていたので、安心して仕事に集中できた。

筆者が感じたメリットとデメリット

 ペット同伴ワーケーションのメリットは、とにかくリフレッシュできたことだ。施設内には海を一望できる芝生広場があり、仕事の合間に愛犬を連れて気分転換に散歩できた。テレワークだと家の中にこもりがちだが、自然の豊かな場所でうれしそうに走り回る愛犬を見ると、筆者もうれしくなった。

photo 客室でのテレワーク風景

 仕事の効率も上がった。いつもであれば打ち合わせ以外の空いている時間は作業時間に割り振っているので、在宅だと集中が続かなかったり、周りに迷惑をかけないようなタスクであれば「家にいるので定時を過ぎても終わるまでやれば良いか」と思ったりすることもあった。

 それがワーケーション中は、せっかく旅行に来ているのだから愛犬との時間を少しでも確保したいという思いから、いつもより1.5時間程度、作業時間を短縮でき、問題なく片付けられた。

 仕事中に窓を見渡したとき、いつもとは違う非日常空間は、仕事に向かう気持ちを自然と晴れやかにしてくれて、アイデアが出たり──と効率がアップしたようだ。

 通常時はSlackやメールの通知が来ると、ランチ時間でも退勤後でもいつでもどこでも確認して返信していたが、愛犬とのワーケーション中は散歩していたり、すぐに確認できる状態でなかったりした。このことも結果的に生産性の向上につながったと思う。

 一方、環境の変化によって、愛犬が不安を覚えることはデメリットだろう。筆者の飼っている愛犬は比較的早く慣れてくれて、吠えることもせず静かに過ごしてくれていたのでそこまで問題はなかったが、敏感なわんちゃんを放っておくのは難しいかもしれない。そうした場合は、決まったタスク業務などはできても、頭を使う仕事は厳しそうだ。

仕事とプライベートを切り替えるポイント

 もともと仕事とプライベートの境目がない筆者にとって、気持ちの切り替えは難しかったが、旅行中はしっかりスケジュールを立て、予定していた散歩時間や食事時間は仕事を持ち込まず、愛犬との時間を過ごすようにした。

 愛犬家にとっては、仕事の合間にペットと触れ合えたり、いつもと違う場所でリフレッシュできたり、レストランにも気兼ねなく連れて行けたりすることは満足感が高い。

photo 施設内の広場でのテレワーク風景

ペット同伴で気を付けるポイントは?

 ここまで筆者のペット同伴ワーケーション体験記を記したが、わんちゃんの性格によっては、環境に慣れない子もいるかもしれない。敏感なわんちゃんの場合は、お気に入りのおもちゃなどを持参して、なるべく環境に慣れるようにしてあげると良いだろう。

 筆者の場合も、心配だったので、愛犬が小さいときから遊んでいるおもちゃ、お気に入りのおもちゃ、いつも使っているベッド、ブランケットのほか、ホテルのごはんを食べなかったときのためにフードなどを持参した(結果、筆者の愛犬はすぐに慣れてくれてスタッフさんとも楽しそうに遊んでいたし、ホテルのご飯もガツガツと食べていたのだが)。

 また、ワーケーションスペースにはデスクやWi-Fiは備わっていたので、電源タップ、PCとスマホの充電器、イヤフォンなど、普段、通勤バッグに入れているのと同様の最小限のアイテムを持って行った。自宅ではオンラインミーティング用にマイクを設置しているが、それがなくても支障はなかった。施設によって設備が異なると思うので、事前に確認することをおすすめしたい。

著者紹介:豆柴しば子

職業:企業広報兼フリーランス広報

IT企業で広報をしながらフリーランスとしてスタートアップ企業を中心に広報支援に携わる。共働きで子どもはいない30代夫婦。コロナ禍の2020年に豆柴を飼い始め、愛犬中心のライフスタイルに。

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