手頃なレシピのニーズは、数字にも表れている。
調査会社のクロス・マーケティングは21年、20〜69歳の男女を対象に「料理に関する調査」を実施した(有効回答数1100)。料理に対する気持ちを尋ねたところ、女性の64.1%が「献立を考えるのが大変」と回答。2位の「後片付けが大変」(44.9%)という回答を20ポイント近く上回り、最も多い結果となった。
こうしたニーズに応えようとする動きは、味の素に限らず、食品各社に広がっている。
エスビー食品は20年5月から、「無理せず、いっしょに。」と題したプロジェクトを開始。コロナ禍で暮らしの環境変化が大きくなる中、「毎日献立を考え、作り続けるのは、いつも以上にしんどい」として、簡単に作ることができる料理のアイデアなどを紹介する取り組みを実施。ブログ投稿サイトnote(ノート)を使って生活者に寄り添う情報発信を続けている。
時短レシピが求められると同時に、コロナ禍に伴う在宅時間が増えたことで、「自宅における食を楽しもう」とする傾向が高まっていることも近年の特徴だという。
味の素の担当者は、「テレビや雑誌、SNSで取り上げられた食べ物は食べたくなる、作ってみたい、という食意識が高まっている」とし、「トレンドの食をおうちで簡単に再現できるレシピが求められている」と説明する。
10年のときを経て注目の的となった「豚ひき肉かたまり焼き」は、簡単かつ「SNSで話題」という、現在の食トレンドの条件を満たしている。
担当者は、「紹介してくれた投稿者のユーモアも相まって話題になったと認識しています。当社のアカウントからの情報発信も、ユーモアとともに伝えられたらいいなと思っています」と話している。
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