大手食品メーカーのネスレ日本(神戸市)とJR東日本は、コーヒーを飲みながらリラックスできる「睡眠カフェ」を、大宮駅(さいたま市大宮区)に6月30日にオープンする。通行人が慌ただしく行き交う駅構内で、なぜ睡眠カフェなのか。
オープンするのは、「STATION BOOTH supported by ネスカフェ 睡眠カフェ」。JR東日本が展開するテレワーク用のブースを改装し、リクライニング機能付きのレザーチェアと、ネスカフェのコーヒーが飲めるコーヒーメーカーを設置した。利用者はリクライニングチェアに体を横たえてゆっくりリラックスできる。
仕事用だったブースを睡眠用に大転換した理由――。それは日本人の睡眠不足や睡眠の質の低さが背景にあるという。
ヘルスケア大手のフィリップスが世界13カ国の成人1万3000人を対象に実施した世界睡眠調査(2021年)によると、、日本人の睡眠時間は調査した国の中で最も少なく、睡眠に対する満足度も29%と最も低い結果となった。直近では新型コロナウイルスの感染拡大により、心身にネガティブな影響を受ける人が増え、睡眠の質にも影響が及んでいるという。
寝不足や睡眠の質の低さが蓄積し心身に支障を来たす「睡眠負債」の問題も認知が広がってきている。
ネスレは日本人の睡眠の課題に注目し、新しい睡眠スタイルを提案する体験型カフェ「ネスカフェ 睡眠カフェ」を、これまでに期間限定で3回実施。19年3月からは東京・大井町で常設店舗を運営しているほか、21年3月からは「ネスカフェ 睡眠カフェ in 原宿」も開設している。
今回、より多くの人に睡眠にまつわる情報を知ってもらおうと、JR東とコラボし、リモートワーカーや鉄道利用者が立ち寄りやすい場所として、ターミナル駅の大宮駅構内に睡眠カフェを設置するに至ったという。
利用料金は15分あたり330円。JR東が提供する「STATION WORK」の個人・法人会員だけでなく、一般向けにも利用できるようにした。設置期間は22年12月31日までを予定している。
JR東は「ネスカフェのコーヒーとともにリラックスタイムを楽しんでいただくことで、多忙なワーカーをサポートします」としている。
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