ソニーの「着るエアコン」“バカ売れ” 猛暑追い風に「想定以上で推移」4月発売の「REON POCKET 3」(2/2 ページ)

» 2022年06月27日 18時00分 公開
[樋口隆充ITmedia]
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ソニーG広報「想定以上の推移」 暑さ対策の切り札に?

 レオンポケット3の売れ行きについて、ソニーG広報は「販売戦略なども絡むため詳細な数値は開示できない」とした上で「発売から売れ行きは好調。われわれの想定以上で推移している」と回答した。家電量販店のヨドバシカメラの店舗や、ECサイト「Amazon.co.jp」でもランキング1位を記録するなど、発売以来、好調を維持しているという。

 好調な売れ行きの背景については「ユーザーの環境意識の高まりと、発売のタイミングが良かったからではないか」(ソニーG広報)と分析する。発売直後の4月〜5月も例年よりも高い気温が続き、不安定な気候が続いた。

photo 連日猛暑が続いている(提供:ゲッティイメージズ)

 ここ数日も連日の猛暑が続き、節電ニーズが高まっている他、富士通ゼネラルが6月10日に発表したように、昨今の半導体不足や3月の中国・上海のロックダウンなどの影響で一部店舗で続く、エアコンの品薄状態なども好調な売れ筋の背景にあるとみられる。

通勤から“接待ゴルフ”まで 利用シーン広がる

 販売元のソニーGによると、発売当初はビジネスパーソンの利用を想定していたという。初代レオンポケットは、専用インナーウェアの首元のポケットに収納し、肌近くで直接冷却する仕組みだったが、21年3月に専用ネックバンドを発売。これにより、服を問わず利用できるようになった上、ビジネスシーンだけでなく、近所のウォーキングやゴルフなど動きが少ない運動でも使えるように。利用シーンとユーザー層の拡大に成功した。最新機種には「ゴルフモード」を搭載しており、より快適に利用できるようにしている。

photo 当初は専用ウェアを使う仕様だった
photo 普及の一因となった専用ネックバンド

 ニーズの拡大に伴い、専用ウェアを開発する企業が相次いだ。専用ウェア(東レ製)に加え、ベイクルーズ(東京都渋谷区渋谷)がソニーとライセンス契約を締結。運営するメンズセレクトショップ「EDIFICE」 (エディフィス)ブランドから21年6月、専用のポロシャツとビジネスシャツ(それぞれホワイトとサックスブルー)を発売した(現在は休売中)。はるやまホールディングスやタカキューも続き、それぞれ専用ビジネスウェアを受注生産で発売した(現在は休売中)。

photo エディフィスブランドのシャツ
photo タカキューから発売されたシャツ

 ビジネスパーソンは社内の上司や取引先の幹部と“接待ゴルフ”に勤しむことが少なくない。このため、スポーツ製品を手掛けるデサントも、自社の『デサント』『ルコックスポルティフ』『マンシングウェア』のゴルフ3ブランドから、レオンポケット対応の専用ゴルフウェアを発売した。

photo デサントから発売されたレオンポケット対応のゴルフウェア

 こうした各社の動きにソニーGは「想定ターゲットが確実に広がっている」と手応えを示す。日本での人気を受け、最近では中国・香港で初の海外販売を始めたというレオンポケット3。猛暑を背景とした、国内外でのビジネスの広がりに今後も注目が集まりそうだ。

photo レオンポケットを使用することで体の表面温度が低下するという

 ビジネスパーソン向けの暑さ対策としては、デジタル機器の通信販売を行うスリーアール(福岡市)が繰り返し使えるネッククーラー「ひえリング」の予約販売を開始している他、厚労省が熱中症のリスクが高まるとして、近距離での会話時を除き、屋外でのマスク着用を控えるよう注意喚起を出している。

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