レオンポケット3の売れ行きについて、ソニーG広報は「販売戦略なども絡むため詳細な数値は開示できない」とした上で「発売から売れ行きは好調。われわれの想定以上で推移している」と回答した。家電量販店のヨドバシカメラの店舗や、ECサイト「Amazon.co.jp」でもランキング1位を記録するなど、発売以来、好調を維持しているという。
好調な売れ行きの背景については「ユーザーの環境意識の高まりと、発売のタイミングが良かったからではないか」(ソニーG広報)と分析する。発売直後の4月〜5月も例年よりも高い気温が続き、不安定な気候が続いた。
ここ数日も連日の猛暑が続き、節電ニーズが高まっている他、富士通ゼネラルが6月10日に発表したように、昨今の半導体不足や3月の中国・上海のロックダウンなどの影響で一部店舗で続く、エアコンの品薄状態なども好調な売れ筋の背景にあるとみられる。
販売元のソニーGによると、発売当初はビジネスパーソンの利用を想定していたという。初代レオンポケットは、専用インナーウェアの首元のポケットに収納し、肌近くで直接冷却する仕組みだったが、21年3月に専用ネックバンドを発売。これにより、服を問わず利用できるようになった上、ビジネスシーンだけでなく、近所のウォーキングやゴルフなど動きが少ない運動でも使えるように。利用シーンとユーザー層の拡大に成功した。最新機種には「ゴルフモード」を搭載しており、より快適に利用できるようにしている。
ニーズの拡大に伴い、専用ウェアを開発する企業が相次いだ。専用ウェア(東レ製)に加え、ベイクルーズ(東京都渋谷区渋谷)がソニーとライセンス契約を締結。運営するメンズセレクトショップ「EDIFICE」 (エディフィス)ブランドから21年6月、専用のポロシャツとビジネスシャツ(それぞれホワイトとサックスブルー)を発売した(現在は休売中)。はるやまホールディングスやタカキューも続き、それぞれ専用ビジネスウェアを受注生産で発売した(現在は休売中)。
ビジネスパーソンは社内の上司や取引先の幹部と“接待ゴルフ”に勤しむことが少なくない。このため、スポーツ製品を手掛けるデサントも、自社の『デサント』『ルコックスポルティフ』『マンシングウェア』のゴルフ3ブランドから、レオンポケット対応の専用ゴルフウェアを発売した。
こうした各社の動きにソニーGは「想定ターゲットが確実に広がっている」と手応えを示す。日本での人気を受け、最近では中国・香港で初の海外販売を始めたというレオンポケット3。猛暑を背景とした、国内外でのビジネスの広がりに今後も注目が集まりそうだ。
ビジネスパーソン向けの暑さ対策としては、デジタル機器の通信販売を行うスリーアール(福岡市)が繰り返し使えるネッククーラー「ひえリング」の予約販売を開始している他、厚労省が熱中症のリスクが高まるとして、近距離での会話時を除き、屋外でのマスク着用を控えるよう注意喚起を出している。
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