2022年上期(1-6月)、国内の新規株式公開(IPO)は活況だった21年の状況と異なった様相となった。21年は新規公開の件数が6月末までで53社。22年は6月30日現在までで37社とブレーキが踏まれている。上場を延期した件数は7社で、グロース市場での上場を予定していたウェルネス・コミュニケーションズ(サービス業)や、同じくグロース市場上場を想定していたインフォメティス(情報・通信業)などだ。
IPOを取り巻く市場環境は芳しくない。22年のIPO37社のうち27社はマザーズ、グロース市場からだ。21年と比較できる指数で見れば、21年のマザーズ指数は年初から6月末まででほぼ横ばい。一方、22年のマザーズ指数は年初から30%超の値下がりとなっている。初値が公開価格を割れたIPOが続出し、37社中11社となっている。ちなみに、初値の公募割れ件数は22年上期は4社どまり。比率はわずか7.5%であった。
IPOを行う企業側からすると、発行総額(公募と売り出し金額の合計)の小ささが想定外となろう。22年上期のIPO37社中、100億円以上の企業は皆無。21年上期には、会員制転職サイト「ビスリーチ」を運営するビジョナルや、SaaS型クラウドサービスのプラスアルファー・コンサルティングなど10社が発行総額100億円以上で公開している。このような規模のIPOが無いまま7月を迎えることになった。
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