三菱地所が目指す「有楽町改造計画」の全貌 解体予定のビルに生まれた“謎空間”とは一等地にアーティストの工房?(1/5 ページ)

» 2022年07月16日 07時00分 公開
[中川寛子ITmedia]

 20年前の東京・大手町、丸の内、有楽町(通称、大丸有)を覚えているだろうか。今からはとても信じられないが、午後3時になるとシャッターが閉まり、週末はほぼ無人になる寂しいオフィス街だった。

 だが、この20年で街の風景は大きく変わり、道行く人の顔ぶれも多様になった。しかし、これで終わりではない。コロナによる社会の変化を追い風にして次の10年へ。これまでにない街を目指す大丸有の今を聞いた――。

有楽町 日本有数のビジネス街である「大丸有」エリア(提供:写真AC)

プレスリリースにあった不思議な言葉

 2021年7月、三菱地所がプレスリリースを発表した。これまで大丸有の中ではあまり手がつけられてこなかった有楽町エリアにある「有楽町ビル」「新有楽町ビル」の2棟を23年をめどに閉館し、建替え計画に着手するという。

有楽町有楽町 ビックカメラ有楽町店の向かいにある「有楽町ビル」「新有楽町ビル」(出所:プレスリリース)

 それだけなら普通の再開発である。だが、リリースにあった先導プロジェクトとされる「有楽町Micro STARsDev.(マイクロスターズディべロップメント)」が気になった。具体的には「まだ価値の定まりきらない」「既存の枠組みに捉われない」「アーティスト」という言葉に目がとまった。

 大企業の本社が集まるオフィス街である大丸有とこれらの単語。並べてみると微妙に距離感があるような印象を受ける人もいよう。その一方で大丸有の開発がこの20年間で変化してきていることを考えると、有楽町の開発に新機軸が打ち出されるのではないかという期待もある。一体、何をやろうとしているのか。

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