楽天モバイルが新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」を5月13日に発表しました。それに伴い「1Gバイトまで0円」の現行プランが6月末で廃止され、既存の0円プランユーザーも自動で新プランが適用されることとなりました。大々的に打ち出していた”0円プラン”だっただけに、今回の廃止ならびに新プランへの強制移行は世間の大きな注目を集めています。
この状況に対しインターネット上では批判の声も続出していますが、プライシングの専門家である筆者には、批判を覚悟したうえでの楽天の強い意思と思惑が感じ取れます。0円プラン廃止発表後から、povo2.0をはじめとした他社の「0円プラン」へ顧客が流出する動きも見られましたが、これも想定の範囲だろうと考えます。
では、楽天モバイルは一体どこに向かっているのか。今回の記事では、楽天モバイル値上げの背景、さらに楽天モバイルが見据えている方向性について解説します。
新料金プラン「Rakuten UN-LIMIT VII」は、利用データ容量に応じて料金が3段階に変動します。月0〜3GBの場合は1078円、3〜20GBは月額2178円、20GBを超過した場合は月額3278円。従来プランの「Rakuten UN-LIMIT VI」との違いは、月間容量が1GBのユーザーは月額0円となっていたものを撤廃し、最低料金は1078円となった点です。他の細かい変更内容は以下の通りです。
特筆すべき点は、既存ユーザーにも自動で「Rakuten UN-LIMIT VII」が適応される点です。つまり、月間データ通信を1GB以下で使っていたユーザーにとっては、値上げとなります。
ただし移行措置として既存ユーザーに対し、7月1日の新プラン提供開始から4カ月間は「月1GB以下は実質無料」となる還元策を実施しています。具体的には、7〜8月請求分に対しては月間1GB以下のユーザーは無料、9〜10月の請求分は、「(ユニバーサルサービス料と電話リレーサービス料の3円を含む)1081円分の楽天ポイントでの還元」が実施される予定です。
月額利用を前提としているビジネスにとって、多くの顧客解約は非常に痛手です。値上げによる解約を極力減らすために、こうした値上げの痛みを緩和する還元施策が取られたと推察されます。
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