現在、ありとあらゆるサービスにおいて、デジタルの力を取り込んでユーザー体験が革新されています。海外の先行事例に目を向けると、特に米国では日本にも増して目にはっきりと見える形で巨大産業における市場変革が進んでいます。
この市場変革は、新興企業の台頭という形だけではなく、伝統的大企業が自身のビジネスモデルを大胆に進化させる形でも顕在化しています。
そのような中、この数年間で巨大新興企業と伝統的大企業による激しい覇権争いが展開されているのが米国の個人間送金市場です。
主には友人間、知人間、家族間などで行われる少額のお金のやりとりで、従来は現金や小切手の手渡しか、銀行のオンラインバンキングを利用した送金が中心でした。
米国内で年間数10兆円にも達する個人間送金市場は、2009年のVenmo(ベンモ)の登場により一気にデジタル化が進みました。15年時点で2.7%に過ぎなかったモバイルアプリ利用率が、Venmoの登場とともに拡大を続け、18年には13.5%に達しています。
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