17年にZelleがサービス開始した時点で、Venmoはユーザー数5000万人ほどを抱えるトップサービスでした。そんな強敵に勝つためのZelleの戦略をシンプルに整理すると、以下のような特徴があります。
(1)先行するVenmoが強い要素は完全ミートする
・ユーザー数
個人間送金サービスは送金人と受取人が同じツールを使うことが前提であるため、ユーザー数の大きさがそのままサービスの強さとなります。
Zelleの特徴は、新しいアプリをインストールする必要がなく、既存の各銀行アプリをそのまま使えることにあります。各銀行アプリにZelleが組み込まれており、ユーザーはいつもの銀行アプリの中からZelleを使った送金が可能です。
Zelleにはサービス開始時点で米国の主要銀行19行が参加し、口座保有者は76万人に達していました。この既存の銀行顧客をベースとして発足したZelleのユーザー数は、初年度から約1600万人と好調な滑り出しでした。
・送金手数料
Venmoはアカウント間の資金移動を無料で行うことができますが、Zelleも同様に資金移動にかかる手数料を無料化しました。
・使いやすさ
Venmoと同様に、Zelleも電話番号またはメールアドレスだけで送金相手を指定できるというシンプルで快適なUXを実現しています。
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