KDDIを襲った多重のワナ 通信障害では結局、何が起きていたのか本田雅一の時事想々(5/5 ページ)

» 2022年07月29日 20時00分 公開
[本田雅一ITmedia]
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求められる「より柔軟な障害告知」

 今回の障害は規模が大きかったこともあり、通信手段を失った消費者が障害の状況を把握できず、KDDIショップに駆け込んで状況を知ろうとするなどの現象も起きた。

 高橋社長は「その点について深く反省すべき点は多い。障害の状況に合わせ、どのような手段で告知すれば状況を伝えられるのか、状況に応じた柔軟な障害告知の方法を確立していきたい。店頭にはデジタルサイネージのディスプレイもある。それらも用い、適時、伝えられるようにする」と話した。

 障害後、直近では他社への乗り換えなどはあまり起きてないというが、一方で新規契約数には少なからぬ影響があるという。起こしてしまった障害の過去は変えられない。しかし、経験を生かすことはできる。

 「信頼回復には時間がかかる」と話す高橋社長だが、その目はしっかりと前を向いていた。

会見で話す高橋誠社長

著者紹介:本田雅一

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ジャーナリスト、コラムニスト。

スマホ、PC、EVなどテック製品、情報セキュリテイと密接に絡む社会問題やネット社会のトレンドを分析、コラムを執筆するネット/デジタルトレンド分析家。ネットやテックデバイスの普及を背景にした、現代のさまざまな社会問題やトレンドについて、テクノロジー、ビジネス、コンシューマなど多様な視点から森羅万象さまざまなジャンルを分析・執筆。

50歳にして体脂肪率40%オーバーから15%まで落としたまま維持を続ける健康ダイエット成功者でもある。ワタナベエンターテインメント所属。


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