ガチすぎる! 世界初、シェラトンに導入した“飛行機”が面白い水曜日に「へえ」な話(3/4 ページ)

» 2022年08月10日 08時10分 公開
[土肥義則ITmedia]

大変だったことは「3つ」

 フライトシミュレーター+モックアップを目にすると、「でかっ!」という印象を受ける。ホテルの一角にこのような施設を設置するには、素人が想像もできない苦労があったのではないだろうか。スカイ社のアルパ・アブドラさんに尋ねたところ、大変なことが3つあったという。

 1つめは、飛行機の部品を持ってくること。米国で機体をバラして、日本に輸出したわけだが、簡単な話ではない。税関の担当者から「この部品はどういった素材でできているのか?」「これは燃えるモノなのか?」といった具合に、さまざまな指摘が入るたびに、すべてきちんと答えていた。しかし、中にはよく分からないこともあって、そのたびに航空会社に問い合わせることに。そうしたやりとりに、想定以上の時間がかかったようだ。

 2つめは、スプリンクラーを設置したこと。本物の機体にはスプリンクラーは付いていないが、ホテルに設置するとなれば話は別である。消防法の関係で必ず設置しなければいけないわけだが、機体の天井はスプリンクラーを付けるような設計になっていない。どのように付ければいいのか、天井に設置して問題はないのか。こうしたことに気を配りながら、作業を進めたという。

 3つめは、旧政府専用機の部品を調達したこと。スペアパーツとしてストックしていた座席やカーペットを設置しているが、簡単に手にできるモノではない。そもそも、いつ販売されるのか、よく分からないモノばかりである。

細部にわたって本物を導入

 「ものすごくレアなモノになるので、業界関係者であれば『絶対にほしい』と思うはず。運良く手に入れることができましたので、モックアップに設置することにしました」(アブドラさん)。ちなみに、座席は販売を予定していて、グズグズしていると、現場に足を運んだときには“違う椅子”が並んでいるかもしれない。

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