「頭を上げて、上げて、いいですねえ。次は旋回しましょうか」――。ホテルの一角で、このようなやりとりが飛び交うところがある。東京ディズニーリゾートの近くにある「シェラトン・グランデ・トーキョーベイ・ホテル」(以下、シェラトン)だ。
8月1日、飛行機のコックピットで操縦ができるフライトシミュレーターを導入したところ、うまく“離陸”できたようである(30分1万5000円〜)。予約の申し込みが順調に推移していて、飛行機が好きな人だけでなく、カップルで利用していたり、子どもが自由研究で使っていたり、幅広い層が世界中を飛び回っているようだ。
ホテルの一室にフライトシミュレーターを導入しているところはほかにもあるが、なぜシェラトンの施設に注目が集まっているのだろうか。最大の特徴は、フライトシミュレーターと客室のモックアップ(原寸大模型)を組み合わせていること。同社によると、こうした試みはホテル業界で初めてということで、「どんなところなのかな」「ちょっと操縦してみようか」といった人がじわじわ増えているようだ。
フライトシミュレーターの種類は、多くの航空会社が採用しているボーイング製の旅客機「737型機」を導入。コックピットの中に入ると、操縦席が並んでいて、本物のスイッチ、計器、操縦桿(そうじゅうかん)、モニターなどが搭載されている。また、ソフトウェアもボーイング社と同じモノを使用していて、細部にわたって“ガチ”を演出しているのだ。
パッと見ただけで本格的な雰囲気がプンプン漂っているわけだが、どの空港から飛び立つことができるのだろうか。施設を運営する「SKY ART JAPAN」(以下、スカイ社、東京都品川区)の担当者に聞いたところ、「世界中にある4500ほどの空港を利用することができ、飛行ルートと飛行時間を選べます」とのこと。空港が4500カ所もあることに、ちょっと驚いてしまったが、実際はもっと多いようで。ボーイング737型が離着陸できる空港のみ利用できるそうだ。
人気の空港を尋ねたところ、マンハッタンの上空を飛ぶことができるニューヨークの「JFK国際空港」や、かつて世界一着陸が難しいといわれていた香港の「啓徳空港」(1998年閉鎖)のほかに、自分が生まれ育ったところの近くにある空港を選ぶ人が多いようだ。
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