御殿場と酒々井のアウトレットで、なぜ「ヘリ」を飛ばしているのか週末に「へえ」な話(1/4 ページ)

» 2022年08月21日 08時21分 公開
[土肥義則ITmedia]

 アウトレットモールでヘリコプターに乗れることをご存じだろうか。御殿場プレミアム・アウトレット(以下、御殿場)の駐車場にヘリポートを設置して、周辺の観光スポットなどを遊覧するサービスを始めたところ、「オレも乗りたい」「ワタシも乗せて」という人が多く、人気を集めているようだ。

 であれば、別のところでもウケるのではないかと考え、千葉県にある酒々井プレミアム・アウトレット(以下、酒々井)でも飛ばしたところ、買い物がメインではなく、「ヘリを乗るためにやって来た」という人が増えているそうだ。

アウトレットでヘリコプターに乗ることができる
ヘリコプターから富士山を見ることも

アウトレットで、なぜ「ヘリ」を飛ばしているのか

 このサービスは、デベロッパーの三菱地所、アウトレットを運営する三菱地所・サイモン、航空事業などを手掛けるAirXの3社で展開している。御殿場は1月下旬から、酒々井は7月中旬から、それぞれ期間限定でスタートしたところ、うまく“離陸”できたこともあって、現在は期限を決めずに飛んでいる。

 ちょっと古いデータになるが、御殿場に足を運ぶお客は年1000万人ほど(2018年度)。高級ブランドなど約290店がそろっていて、アウトレットとしては日本最大規模である。ただ、課題もある。一般的なショッピングセンターなどと比べると、来店頻度は少なく、1人当たり多くて年4回ほど。集客のためにホテルを設けたり、ミニ遊園地をつくったり、あの手この手を打っていて、その一環としてヘリを飛ばすことにしたのだ。

御殿場プレミアム・アウトレット

 コースは4種類用意していて、お試しコースは約3分の飛行(アウトレット周辺、足柄ICなど)で3900円。富士山中湖または箱根芦ノ湖コースは約15分の飛行で1万9800円。お試しコースの利用が多くなると、そのぶん離着陸が多くなって、騒音の問題がからんでくる。というわけで、1日の回数を制限していることもあってか、人気があるのは約15分コースである。

 ところで、どんな人たちが乗っているのだろうか。一部の航空ファンだけかなあと思っていたら、子ども連れの家族、シニアの夫婦、若いカップルなど幅広い層が利用しているそうで。大々的なPRをしていないこともあって、御殿場に来てから「おっ、ヘリコプターがあるじゃないか。ちょっと乗ってみようか」といった人が多いようだ。

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