さて、来年はA→Bの計画を立てているわけだが、逆算すると残された時間は少ない。担当者の西地さんは“いま”何をしているのだろうか。「Google マップを見て、ヘリポートに適したところはないかなあと探しています。『ココ、いいかも!』と思って調べると、さまざまな規制によって設置することが難しいところが多くて。なかなか見つけることができていません」とのこと。
であれば、既存のヘリポートであればダメなのか。結論を言うと、できれば違うところがいい。なぜなら、既存のところを使うと、いまあるサービスとの差別化が難しくなるからだ。例えば、新木場にヘリポートがあるが、そこを使うと、他社のサービスとかぶってしまう。「今回のプロジェクトは、日常的に使うことを想定していまして、例えば、東京駅の近くにヘリポートを設置することはできないかといった視点で考えています」(西地さん)
A→Bへの移動が発生するので、ヘリポートは2カ所必要になる。例えば、1カ所は東京駅、もう1カ所は新橋駅の近くはどうだろうか。それはダメ。東京と新橋であれば、わざわざヘリコプターに乗る必要はなく、山手線またはタクシーなどに乗ればいいからだ。このように考えると、理想のヘリポートを見つけるのは難しい。1つは東京駅などの都心部につくって、もう1つは横浜駅の近くといったイメージである。
今回の実験がうまくいけば、20XX年の通勤事情を想像するだけでニヤニヤしてしまう。オフィスから10キロほどの離れたところでマンションを購入した部長は、毎朝通勤電車に揺られながら出社している。100キロほど離れたところに一軒家を借りた新入社員は、空飛ぶクルマでやって来る。
そんな時代がやってきたら、運転手付きのハイヤーでやって来る役員の姿を、若者たちはどのように受け止めるのだろうか。空を飛ぶ鳥のように、“見下ろして”いるに違いない。
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