一方、酒々井はどういったプランを提供しているのだろうか。コースは5種類用意していて、お試しコース(アウトレット周辺)は約3分で4900円、約20分の九十九里浜と幕張コース(いずれも1万9800円)のほかに、約40分の東京都内(浅草など、3万9800円)もある。
御殿場の周辺は観光スポットが多いので、「ちょっと乗ってみたいなあ」といった人がそこそこいそうだが、酒々井は正直に言って微妙である。九十九里の海岸は見てみたいと思うが、御殿場と比べると、全体的に「うーん」となってしまう(注:個人差あり)。
しかし、である。先ほど紹介したように御殿場の場合、“そこにヘリがあるから”といった感じで、衝動的に乗る人が多いのに対し、酒々井は予約をする人が多いのだ。「酒々井でヘリを飛ばしますよー」と告知したところ、すぐに予約が埋まった。なぜか。
事業を担当している三菱地所の西地達也さんに聞いたところ、「仮説ですが……」と前置きをしたうえで、「成田空港が近くにあるからではないでしょうか」という。どういう意味か。例えば、大阪に行く場合、都内に住んでいる人であれば、新幹線を選ぶ人が多いだろうが、酒々井の近くに住んでいる人は東京駅までの移動を考えると、成田空港から飛行機に乗ったほうが速い。
もちろん、空を見ると、飛行機がたくさん飛んでいる。子どものころには社会科見学で空港に行ったかもしれないし、家族と遊びに行ったかもしれない。空を飛ぶことを「身近」に感じているので、「ヘリコプターに乗ってみたい」「飛行機とどのような違いがあるのかな」といった人が多いのかもしれない。
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