NTTアドバンステクノロジの「発電ガラス」も設置している。可視光を通して、赤外線と紫外線で発電する実証実験を行っている。尾関氏は「人工照明でも発電できることが分かったので、いずれは室内に置くだけで、建物内のエネルギーの地産地消ができるのではと期待しています」と語る。また、スタジオも併設している。オンラインでのWeb講演会、会社紹介などはここで行う。専門家でなくても簡単に使用できる仕様にした。
瞑想ルーム、パーソナライズドサウンドゾーン技術などの個々のソリューションについては「すでに導入したい」と複数の企業から問い合わせがあると渡邊氏。「引き合いがあるソリューションは、少しずつ事業化していきたいと考えています。今後もこのオフィスを一つの実験の場として、試作品の実証実験などは行っていきます」
他社製品などもAPI連携ができるものであれば、同オフィスでの実証実験も検討しているという。
このオフィスでの実証実験は、NTTグループ各社と同社が一体となって行うデジタルツイン間の連鎖により街の最適化を目指す「街づくりDTC」の一環でもある。最終的には、さまざまな場所で行っている実証実験から実装できたサービスを連鎖させ、新たな価値を創出したい考えだ。
デジタルの発達により、どこでも仕事ができるようになった現代。それでもオフィスに来る理由は何か? 同社は「未来のオフィス 4×SCENE」で一つの答えを導き出した。個々のソリューションの製品化も含め、今後の動向に注視していきたい。
太田祐一(おおた ゆういち/ライター、記者)
1988年生まれ。日本大学芸術学部放送学科で脚本を学んだ後、住宅業界の新聞社に入社。全国の工務店や木材・林業分野を担当し取材・記事執筆を行った。
その後、金属業界の新聞社に転職し、銅スクラップや廃プラリサイクルなどを担当。
2020年5月にフリーランスのライター・記者として独立。現在は、さまざまな媒体で取材・記事執筆を行っている。Twitter:@oota0329
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