5月16日、神奈川の人気ラーメン店「らぁ麺 飯田商店」が、ラーメンやつけ麺の価格改定を発表し、SNS上で物議を醸しています。そのワケは、ラーメンが1600円、つけ麺が2000円と、従来のラーメン業界からするとかなり強気ともいえる価格設定にあります。
古くからラーメン業界には「1000円の壁」という言葉が存在します。文字通り、ラーメン一杯の価格が1000円を超えるのは難しいという意味ですが、実際、都内ラーメン店においてラーメン一杯の価格のボリュームゾーンは、700円台後半から800円台に落ち着いています。
そうはいうものの、ホリエモンこと堀江貴文氏と和牛エバンジェリストとして名高いWAGYUMAFIAの浜田寿人氏が手掛ける“日本最高級”のラーメン「WAGYUJIRO」は、なんと一杯1万円以上で提供されるなど、必ずしも「1000円の壁」が超えられないというわけでもなさそうです。
本記事では、ラーメンの価格が多様化する中で、適正価格が果たしていくらなのか、またどのように考えていけばいいのかについて解説します。
どんな商材にも適正価格が存在するように、ラーメンも例外ではありません。では一体、適正価格とはいくらなのでしょうか。
「1000円の壁」という言葉通り、700円台後半から900円台でしょうか。それとも飯田商店のような1600円や2000円、いや、それ以上なのでしょうか。
結論から言うと、700円でも1000円でも1万円でも適正価格にはなり得ます。下のグラフは、当社がラーメン一杯あたりの適正価格を調べる際に行った調査結果です。全国のラーメン屋でラーメンを食べたことがある消費者を対象に実施しました。
このデータを分析すると、ラーメン一杯あたり700円だと「高すぎて買いたくない」と思う人が8.0%(92%は検討予算内)存在します。
値段が上がるにつれ割合は増加し、1000円では24.7%(75.3%は検討予算内)、1200円は34.7%(65.3%は検討予算内)、1500円になると58.0%(42%は検討予算内)、2000円では82.0%(12%は検討予算内)でした。
この結果を見て、75.3%が検討予算内とした「ラーメン1杯1000円」が適正価格だと解釈する人は少なくないでしょう。ただ、65.3%が検討予算内なのであれば1200円でも適正価格だと考える人もいるのではないでしょうか。
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