無印、ユニクロ模倣の中国「メイソウ」、迷走の末「脱日本宣言」浦上早苗「中国式ニューエコノミー」(4/5 ページ)

» 2022年09月01日 07時00分 公開
[浦上早苗ITmedia]

 14年には東京都内にも出店し、16年ごろからは海外進出が本格化。首都のショッピングセンターで無印やユニクロ、H&Mに混じって(時には隣り合わせで)店を構えるようになり、訪れた日本人を大いに戸惑わせた。と同時に、商品に表示される日本語も、自然なものになっていった。

 メイソウは17年ごろまで公式サイトで自社を「東京に本社を置き、日本人デザイナーの三宅順也氏と中国人企業家の葉国富氏」が共同で創業したと紹介。広州の一号店オープンも「中国進出」と表現していた。

 今回の炎上が起きたとき、日本の主要メディアはメイソウをロゴの印象から「ユニクロをぱくった企業」と表現しているが、中国では雑貨チェーンというカテゴリーから無印良品と比べられることが多い。

 特に無印良品が中国で店舗を増やしていた10年代後半は、メイソウVS. 無印の戦いが注目され、中国メディアの北京商報は17年4月の報道で、「最近はメイソウのようなコストパフォーマンスとデザインに優れた同業者が台頭し、無印良品の競争力は失われている」と論じた。

 実際、メイソウの店舗数と出店範囲は無印良品、ユニクロの両方を凌駕しており、22年8月末時点で105か国・地域に5199店舗を展開する。コロナ禍でテナント料が下がったのを好機とみて、ニューヨークやロンドン、パリなど先進国の一等地にフラッグシップ店舗を出したほか、ウクライナ、カタール、カンボジアといった国にも進出している。

20年10月ごろ、都内のメイソウで購入した爪磨き。おかしな日本語はかなり減ったものの、ゼロにはなっていない(筆者撮影)

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