沖縄県レンタカー協会の資料によると、協会会員が保有するレンタカーの合計台数は、コロナ以前の2019年の8月では協会会員全体で約2万7700台あったが、20年8月には約1万9900台、翌21年には約1万7300台と激減。今年の8月には約1万9500台と幾分は持ち直した。
レンタカーが不足している原因は、前述したようにやはり新型コロナの影響による沖縄観光への打撃が大きい。沖縄県は過去2年間のほとんどの期間で、人口当たりの感染者数が全国一になっていた。そのため、緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が何度も繰り返され、外出自粛の要請が出された結果、観光需要が大きく落ち込んだ。レンタカー各事業者は営業所の閉鎖や駐車場の返還などに加え、レンタカー車両そのものを減らしてコストカットすることで、雪解けを待つかのように耐え忍んできた。
全国的に行動自粛制限のない夏が3年ぶりにやってきたことで、沖縄県への観光客は回復しつつあったが、その弾みにレンタカー業界の受け入れ態勢が間に合わなかった。当然、そのような事態に直面することは事業者自身も予測はしていた。しかし、すぐには対応できない理由があった。
沖縄県レンタカー協会の白石武博会長は「また車両台数を戻そうとしても、今では(世界的な供給網の混乱などで)発注してから8カ月程度もかかってしまいます。沖縄県では、県独自の緊急事態宣言などで経済活動にブレーキがかかり続けていたため見通しが立たず、なかなか増車に踏み切れなかったという経緯があります。『もうブレーキがかからない“正常な社会”に戻します』という確約が必要です」と話す。
さらに「台数が足りないのもそうですが、人が足りないんですよ」と白石会長。感染や濃厚接触でスタッフが自宅隔離となることで、特に小規模事業所は営業自体が止まってしまうケースもあるという。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR注目記事ランキング