「はじめから完璧を目指しすぎ」 日系が外資に勝てない根本理由外資系1年目の教科書(2/4 ページ)

» 2022年09月09日 06時30分 公開
[山口畝誉ITmedia]
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途中段階で上長にフィードバックを求める

 目的が共有されたなら、はじめから100%を目指す代わりに、方向性は正しいのかを、すり合わせます。途中段階で上長にフィードバックを求めるのです。そうすることでオントラックに、軌道から外れることなく、手戻りを最小限に抑え、精度を少しずつ高めながら企画書を作り上げられます。フィードバックを求めることで、フィードバックをした人間(上長)は、その企画書の作成に既に参画していることになります。そのため、事前に「NO」が出るのを防ぐことにもつながるのです。英語に「on the same page」という表現があります。直訳すると、「同じページにいる」です。つまり、まさに上長も同じページにいさせるように、巻き込んでおくのです。

外資系 上長を企画書の作成に参画させることが重要(画像提供:ゲッティイメージズ)

 外資系は、上長ととてもフラットでフランクにコミュニケーションできる環境であるため、「ちょっといいですか?」という具合に、フランクにフィードバックを求めることができます。つまり、上司とそのような関係性を持つことも大切な要素です。

 また実際、上長が最も不安になるのは、相談されないことなのです。いつまでも企画書が上がってこないと、「どうなっているのだろう?」と疑心暗鬼にもなります。上司は頻繁に相談されたり、フィードバックを求められたりしても決して嫌な気分にはなりません。むしろ、相談してくれた方がうれしいものです。状況も把握できるので、「on the same page」になれるでしょう。

 また、何か新しい商品やサービスを市場に投入する場合でも、外資系では、まず Time to Market という考え方を取ります。すなわち、どれだけ早く市場に投入するかを重視します。真っ先に市場に投入することで、マーケットシェアを取りに行くのです。

 先に市場を取りに行けば、その市場はまだブルー・オーシャン、すなわち競争相手のいない未開拓な市場なので、先行者利益にあずかることができます。さらに、仮に投入した商品やサービスが完璧ではなかったとしても、市場からのフィードバックをもとに改善していけばよいのです。

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