リアルに「徳」が積める? シュールすぎるブロックが話題 なぜ作ったのか推し活からヒント(1/2 ページ)

» 2022年10月09日 08時30分 公開
[ITmedia]

 「徳を積む」と聞くと、善行を重ね、清く正しく生きる。そんなイメージがあり、実践するのは難しそう。でも、これなら気軽に積めそうだ。「徳」の文字をかたどったブロック「トクツミー」が「凄まじくシュール」「リアル徳積み」などとSNSで話題を集めている。アマゾン通販サイトで一時、完売するほどの人気を見せたというこの商品、一体、なぜ作ったのか。開発担当者に話を聞いた。

徳型ブロック「トクツミー」が話題を呼んでいる(サイプラス提供、以下同)

 「令和にもなると徳の積み方もどんどんアクロバティックになっていくんですね」

 トクツミーを取り扱う通販大手ニッセン(京都市南区)の公式Twitterアカウントが10月3日に発信した投稿には、4000件近い「いいね」が押され、大きな話題となっている。

 トクツミーは、エラストマーと呼ばれるゴムのような弾力性のある素材でできている。一つあたり3センチ大で重さは約10グラム。7個入り1980円で今年3月に発売された。

 開発したのは、奈良県橿原市に本社を置くサイプラス。美容・健康雑貨やアイデア雑貨の開発・販売を手掛ける。トクツミーは、どのような経緯から開発したのか。企画した同社の嶋田雅紀さんに話を聞いた。

テレビで見た「ロックバランシング」がきっかけ

――トクツミーがとてもユニークと話題です。開発のきっかけを教えてください

嶋田: これはもともと健康グッズとして企画しました。老人ホームなどの高齢者施設で指先のトレーニングが人気と聞き、年配の方を主なターゲット層とし、指先の感覚を鍛える「指先トレーニングブロック」として企画しました。

 テレビで石を積み上げて作るアート「ロックバランシング」の特集番組を見て、これを応用すれば、楽しみながら指先を鍛えられる商品を開発できるのではないかと考えたのがきっかけです。

テレビで見た「ロックバランシング」が開発のきっかけだという

――「徳」の字をかたどるアイデアはなぜ生まれたのですか

嶋田: 当社には「ありそうでないものを作る」という企画開発のモットーがあります。ただ石を積むだけでは面白くないと考え、年配の方であれば「ありがたいもの」が喜ばれるのではないかと、開発チームで話し合いました。

エラストマーと呼ばれるゴムのような弾力性のある素材でできている

 また、近年はイチ押しのアイドルやキャラクターを応援する「推し活」がブームで、当社にも推し活をする社員がいます。「イベントで良い席が当たりますように」などといった願いを叶えるため、日々善い行いをするなど、「徳を積む」という言葉が使われていることから、そういった人にも反応してもらえるのかなという思いもあり、「徳」の形にしました。

「推し活」で使われる「徳を積む」という言葉からも形のヒントを得た
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