「東京ゲームショウ2022」に初出展し、新たに「ゲーミング家具」の分野に打って出た家具大手のニトリ。商品の先端性を追求し、新規分野の開拓にも力を入れるが、9月から発売する同社の「スマホ毛布」は、日本のある伝統寝具から着想を得たという。担当者に話を聞くと、利用者の困りごとやニーズに応えるため、故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知る「温故知新のものづくり」とも呼べる、アイデア商品を生み出す同社の強みが見えてきた。
一見よくある暖かそうな2枚合わせの毛布。よく見ると、2カ所に穴が開いている。ここから腕を通せば、胸元や肩口までしっかり毛布をかぶせたまま、腕だけ毛布の外に出すことができる。
「スマホ毛布」と名付けられた商品名の通り、毛布をかぶったままスマートフォンをチェックすることができる。SNS上では「これを考えた人すごい」「布団に穴を開ける発想はなかった」などと、アイデアを絶賛する声が広がる。
スマホ毛布のアイデアは、いかにして生まれたのか。ターゲット層や効果的な使用法もあわせて、ニトリの担当者に話を聞いた。
――毛布に2つの穴を開ける着想はどのようにして生まれたのでしょうか
担当者: 昔から日本には「かいまき」などの類似寝具がありました。多くはぶ厚すぎたり、立派な袖がついていたりしましたが、住宅の気密性が高くなっている現代では、過度な厚みや袖が、寝心地や使い勝手を邪魔してしまうと考え、もっと手軽に使えるものを開発しようと考えました。
――どのような顧客をターゲットに想定して開発したのでしょうか
担当者: スマホになじみ深い「Z世代」に最も響く商品と考えていましたが、ベッドに入ってスマホを操作している世代はかなり幅広いと予想しています。そのため、全世代のお客さまにぜひお試しいただきたい商品です。
――スマホ毛布の効果的な使用法を教えてください
担当者: 寝る直前、毛布をかけたままでも、足もとの方にある厚い掛布団を胸元まで引っ張りあげることができます。また腕を通したまま寝ることで毛布がはだけにくくなるのも隠れたメリットです。ほかにも、ソファや在宅ワークでの活用、寝袋の足もとを開けて腹巻き状にして使ったりもできます。
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