ニトリ「スマホ毛布」が話題 布団に穴を開ける発想はどこから生まれたのかアイデアの勝利(2/2 ページ)

» 2022年09月30日 12時00分 公開
[ITmedia]
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東京ゲームショウ出展の狙い

 スマホ毛布のアイデアのもととなった「かいまき」は日本の伝統寝具で、その歴史は古く鎌倉時代までさかのぼるとされる。襟や袖があるため、肩まで覆い隠すことができ、保湿性も高い。今でも寒さの厳しい東北地方を中心に愛用する人が多いという。

 伝統寝具から着想を得て、現代人の住環境やライフスタイルに合わせた要素を取り入れて開発したスマホ毛布は、まさに「温故知新のものづくり」の一例と言える。

ニトリは9月に「東京ゲームショウ2022」に初出展した(プレスリリースより)

 今年9月、世界最大級のゲーム見本市「東京ゲームショウ」に初出展したニトリ(関連記事)。コンセント収納パーツやドリンクホルダーがついたデスク、パンチングパネル付きのシェルフなど、ゲーマー向けにカスタマイズしたゲーミング家具を紹介した。

 初出展の狙いについて、担当者は「ニトリでゲーミング商品を扱っているという認知度の向上」を挙げる。「困りごとを解決させるために、不便・不満から商品開発を行い、ニトリの強みであるトータルにコーディネートできるゲーミング空間を提供していきたい」と意気込みを語る。

ゲーマー向けにカスタマイズしたゲーミング家具(プレスリリースより)

 新たに開発したスマホ毛布も「ゲーミング家具・雑貨」として親和性が高そうだ。担当者は「あくまで寝具として開発したものではありますが、ゲーミング毛布としての用途ももちろん想定しています。お客さまにとってさまざまな用途でお使いいただけるものであれば、当社として非常に嬉しく思います」と話す。

「温故知新のものづくり」が光るスマホ毛布(ニトリネットより)

 新規分野の開拓を目指しつつ、商品開発には伝統や過去からもアイデアを取り込む――。日本の家具業界をリードするニトリの強みの一つと言えそうだ。

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