「仕事に飽きた」と感じている社会人2年目は約半数に なぜ?入社2年目が突き当たる壁

» 2022年10月12日 10時09分 公開
[堀井塚高ITmedia]

 ラーニングエージェンシー(東京都千代田区)および同社の研究機関であるラーニングイノベーション総合研究所は、社会人2〜4年目の900人が困難に感じていること、不安を感じていることなどをまとめた「【若手社員の意識調査】社会人2年目〜4年目の壁(TOP3編)」を発表した。

ラーニングエージェンシーは「【若手社員の意識調査】社会人2年目〜4年目の壁(TOP3編)」を発表した(画像:ゲッティイメージズより)

 調査結果を見ると、社会人2〜4年目に共通して1位から3位を占めたのが「仕事を進める上で困難に感じることがある」「仕事の量が多いと感じることがある」「仕事が飽きた、つまらないと感じることがある」の3項目だった。

 「仕事を進める上で困難に感じることがある」は各年次共通で1位となったが、最も比率が高かったのは社会人2年目で、68.3%と7割近い結果に。また「仕事が飽きた、つまらないと感じることがある」も社会人2年目が最も高く、半数近い49.3%となっている。

社会人2〜4年目が直面している壁(出所:以下、プレスリリースより)

 「仕事を進める上で困難に感じること」の具体的な内容としては、各年次共通で「業務量が多い」「自分のスキルが足りない」「業務内容が難しい」が上位に入った。また社会人2年目に関しては「教えてくれる人がいない」(18.5%)、「業務の意義が見いだせない」(11.2%)との回答が他の年次より高かった。

 では、社会人2年目は「仕事を進める上で困難に感じること」をどう捉えているのか。「不満を抱いた」(22.9%)、「不安に感じた」(22.0%)の2項目に回答が集中した。ポジティブな捉え方では「期待に応えようと感じた」(21.0%)、「成長の機会と感じた」(19.5%)もあり、困難を前向きに捉える社会人2年目も一定数いることが分かる。

仕事を進める上で困難に感じることは?

 「仕事の量が多いと感じることがある」と回答した社会人2年目は50.7%。これについては25.7%が「大変だと感じた」としており、2年目の回答で最も高い。2位には19.7%で「不安に感じた」が入った。仕事量が多い状況をポジティブに捉えた「期待に応えようと感じた」「成長の機会と感じた」は、それぞれ16.6%、13.2%にとどまる。

 仕事に飽きたり、つまらないと感じる場面については「仕事の意義が分からない」と回答した社会人2年目が17.6%おり、他の年次と比べて5ポイント以上も高かった。がむしゃらにやっていた1年目と違い、仕事にも慣れて業務の意義や意味などに意識が向くようになった頃に飽きたり、つまらなく感じたりするようだ。なお3年目、4年目の1位は「いつも同じ業務をやっている」で、それぞれ18.2%、22.9%となっている。

仕事に飽きたり、つまらないと感じる場面は?

 仕事に飽きた、つまらないと感じている状況について、社会人2年目では「不満を抱いた」との回答が最多(25.0%)だが、「会社を辞めたくなった」との回答も20.9%に上った。仕事に飽きたり、つまらないと感じたりしている状態は離職意向にもつながるようだ。ちなみに4年目は「我慢した」が33.3%と、他年次と10ポイント以上の差をつけている。

 この結果を受けてラーニングエージェンシーでは「社会人2年目が仕事に関する壁を乗り越えられるようにするためには、仕事の目的や意義を改めて丁寧に伝えること、どのような役割を担ってほしいのかを明確に伝えることが重要」とまとめている。

 調査は7月22〜25日にインターネットで実施。サンプル数は各年次300人の計900人。社会人2年目の男女比は男性119人(39.7%)、女性181人(60.3%)となっている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.