このように、パワハラは体育会系だけがやるわけではなく、文化系でも行う可能性があります。ここでまず認識しておかなければならないのは、パワハラに対する社会常識やルールが大きく変わっていることをあらためて認識するということです。
国際労働機関(ILO)は、仕事と関わる暴力やハラスメントを全面的に禁止し、撤廃するための国際条約を2019年6月21日に採択しています。日本でもいわゆるパワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)が成立し、大企業では20年6月1日から、中小企業は22年4月1日から施行されています。
このようなことからも“ハラスメントが蔓延している会社”などという評判が立ってしまうと、社会的評価を落とすことになり、消費者にも支持されなくなるかもしれません。また、現社員の士気低下だけではなく、新規採用に悪影響を及ぼす可能性が高くなります。
日本ではメンバーシップ型の雇用慣行を背景として、会社の人間関係が非常に近く家族や友人の距離感と同様の距離感で接しているため、いつの間にかハラスメント化しているケースもあるのです。このような職場環境でいかにしてハラスメント防止の対応を取るのかがカギとなります。
それには定期的なモニタリングによる実態把握と、教育の徹底、実効性のある通報窓口の設置は必須でしょう。また、マネージャーなどの管理職への昇進条件にハラスメント有無の要素を入れることをお勧めします。昇進対象者の選抜にあたって、上司による評価だけではなく、同僚や部下からの評価や評判もふまえて選ぶ360度評価の導入や降格制度を合わせて導入することもお勧めです。ハラスメントのない働きやすい会社を作りましょう!
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