「利用者がいたずらで140度に設定」──滋賀県の老舗銭湯、“サウナテロ”の被害に 店側は激怒「悪質な営業妨害」被害届を提出予定

» 2022年10月17日 17時30分 公開
[ITmedia]

 「お客さまがサウナ室の温度セットを勝手に触り、男女とも140℃以上にするという前代未聞のいたずらをされた」──こんな衝撃的な投稿が注目を集めている。投稿したのは滋賀県の老舗銭湯「都湯-ZEZE-」(滋賀県大津市)。10月15日に公式Twitterアカウントでツイートしたところ、約1万3000リツイート、約3万9000のいいねを記録している。同施設は「悪質な営業妨害」として滋賀県警に被害届を出すとともに、施設内の防犯カメラや常連客などと協力し、犯人特定に向けた情報収集を進めている。

photo 「都湯-ZEZE-」(出典:施設の公式Webサイト)

 “サウナテロ”の現場となったのは、男湯側の脱衣所。施設側によると、10月14日午後9時ごろ(推定)、男性利用者の1人が脱衣所内にあるサウナの制御盤を勝手に操作し、温度を140度に設定したという。同施設の通常温度は120度だった。

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「熱すぎて入れなかった」 利用者から不満の声

 施設担当者によると、被害に遭った時刻は地元の常連客が多い時間帯で、利用者からは「熱すぎて入れなかった」など不満の声が寄せられているという。担当者は「通常の120度という温度も自分が体感し、安全だと判断して利用者に提供している。設定温度が140度になると低温やけどなどになる恐れがある。利用できなかった常連客がいるという点では悪質な営業妨害」と怒りを露わにし「大変危険な行為なので、二度としないでほしい」と呼び掛けている。

photo 同施設のサウナ

制御盤の移動など再発防止策講じる方針

 一方で、脱衣所内に制御盤を設置していた点については、改善点として受け止めているようだ。担当者は「制御盤の移動や、利用者が勝手に操作できないよう鍵を設置する工事などを検討しており、現在見積もり中」とし「その時間にいらした方には大変ご迷惑をお掛けした」と謝罪している。

 「近年は若いサウナ利用者もおり、紙での注意喚起だけでは難しい可能性がある。古い銭湯では脱衣所にサウナの制御盤がある施設が多いため、いたずら目的での操作を防ぐため、他の施設でも注意してほしい」

 同施設はJR膳所駅に近い、創業約50年の老舗銭湯。先代から事業を引き継いだ、現在の番頭が2018年にリニューアルオープンした。地下60メートルからくみ上げた天然地下水による水風呂や、「県内で最も熱い」と自負する120度の高温サウナに加え、電気風呂、ジェット風呂のサービスを提供している。

photo 銭湯の様子

 その他、サウナハットやTシャツなどのオリジナルグッズの販売や、サウナの魅力を発信するイベントなども開催している。サウナを設置してから約30年間、同様のいたずらは「一度もなかった」という。

photo 脱衣所の様子
photo 公式グッズの販売も

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