電気自動車(EV)を急速充電しすぎたらバッテリーが故障した──こんな投稿がTwitterで注目を集めている。投稿者によると修理代として100万円が必要になったといい「これだからEVは選択肢としてない」「本来のEVの乗り方ではない」など賛否両論の意見が出ている。
バッテリー事情に詳しい人にとっては、当然の反応だったようだが、それ以外の人にとっては驚きだったようだ。政府が温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」(CN)を2050年までに目指す方針を掲げる中、BEV(バッテリー式EV)はその切り札として期待されており、近年は一般用だけでなく、BEVを社用車・公用車として導入する企業・組織も増えている。利用する上での注意点と適切な充電方法を、日産自動車に聞いた。
同社広報は取材に対し「できるだけ急速充電を控え、普通充電かV2H(充放電機)を使い、充電してほしい」と回答した。急速充電は高電圧の電流で従来の充電方法よりも充電時間を短縮できる一方で、車載バッテリー(リチウムイオンバッテリー)に負荷がかかるためだ。
では、普通充電と急速充電はどの程度使い分ける方がいいのだろうか。同社は「具体的な回数は提示していない。できる限り普通充電を使用することを推奨する」と明言を避けた。急速充電の回数制限についても「保証については、急速充電の回数制限はない」と、こちらについても明言を避けた。移動中のバッテリー切れなど、やむを得ない場合は急速充電を使うことになるが、家庭用コンセントなどを使った普通充電が原則となるようだ。
「必要以上の頻繁な充電を避けることで、リチウムイオンバッテリーを長持ちさせることができる。できるだけ急速充電を控え、できる限り普通充電を使用することを推奨する」(日産広報)
同社はユーザーに対し「日産自動車の電気自動車は、安全には万全を期しているが、充電方法やリチウムイオンバッテリーの取り扱いについては、使用前に取扱説明書をよくお読みいただきたい」とコメントしている。
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