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» 2022年10月22日 07時00分 公開

アマゾンで増える「送料ぼったくり」被害 “誰だって気づくはず”の手口のウラ側本田雅一の時事想々(2/4 ページ)

[本田雅一ITmedia]

ゲーム感覚で“カートを取る”業者たち

 “カートを取る”とはどういうことなのか。

 ご存じの通り、Amazonの販売ページでは同じ商品を多数の流通業者が販売している。Amazon自身が販売しているものもあれば、Amazonの流通システムを利用したメーカーや代理店、あるいは既存販売店やブローカーのような業者も相乗りしており、消費者はその中から自由に販売者を選んで購入できる。

 そうした競合関係の中で、顧客が自分たちを販売者として選んでカートに商品を入れることを“カートが取れる”と表現する。カートを取るために最も効果的なのが、相乗りの販売ページでリストのトップになり、そのページを表示した時に最初に選ばれる販売者になることだ。

Amazonで売り上げを伸ばすには、“カートを取る”ことが重要(画像はイメージ、提供:ゲッティイメージズ)

 複数の販売者が同じ商品ページに相乗りしている場合、以前は製品価格と送料の合計が優先順位を決めていたが、今年4月ごろからシステムの振る舞いが変化し、製品価格が最も安い販売者がリストの筆頭に来るようになった。

 つまり、商品価格を安くすることでリストの筆頭になれる。そのため、送料を水増しすることで帳尻を合わせる業者が増えているのだろう。

 「出品業者の掲示板では、“今日は結構カートが取れたよ”などと情報交換がされてるんですよ。われわれのような古参の出品業者は、Amazonマーケットプレイスの仕組みを使い、ゲーム感覚で売り上げを出そうという出品者の自慢話を苦々しく読んでます」

 そう話してくれたのは、あるAmazonの古参出品者だ。彼は、安全基準を満たさない偽装モバイルバッテリーや偽物の相乗り販売など、登録業者がAmazonの仕組みを使って製品を販売できるAmazonマーケットプレイスを悪用する販売業者の情報を、数年前から定期的に提供してくれている。

 なぜ「苦々しく」感じているのか。

 それは、Amazonの販売システムの仕組み、特徴を使ってゲーム感覚でカートを取る出品者によって、真面目にAmazonを通じて商品を販売してきた業者にも不利益が生じているからだ。

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