円安が“マイナスになる”業種1位は「飲食店」 “プラスになる”業種1位は？（1/2 ページ）

[コネムラメグミ，ITmedia]

　東京商工リサーチは、企業を対象に「円安に関するアンケート調査」を行った。円安の影響を聞いたところ、「マイナス」の影響が強いと答えた業種1位は「飲食店」（85.1％）であった。一方、「プラス」と回答した業種1位は「ゴム製品製造業」（12.9％）だった。

東京商工リサーチは、企業を対象に「円安に関するアンケート調査」を行った（画像はイメージ）

円安が経営に「プラス」業種別・「マイナス」業種別（出所：プレスリリース、以下同）

円安の影響　「プラス」「マイナス」それぞれの割合は

　1ドル143円前後だった9月の円安で、経営に「マイナス」の影響があると答えた企業は54.1％と過半数を占めた。8月の前回調査時、1ドル137円前後の時は48.7％であったことから、今回5.4ポイント上昇した。1ドル130円前後だった6月の調査では46.7％で7.4ポイントの上昇と、円安の進行に伴い企業へのマイナス影響が深刻さを増していることが分かった。

円安は経営にどのように影響があるか？

　一方、「プラス」は2.5％（前回調査3.2％）、「影響はない」は23.4％（同28.8％）だった。

　規模別では、「マイナス」は中小企業で54.7％を占め、大企業でも50.2％と5割を超えた。 8月の前回調査から中小企業は4.9ポイント、大企業は7.6ポイント上昇し、大企業の悪化が目立った。

資本金1億円以上663社

資本金1億円未満4356社

　業種別でみると、「マイナス」の影響が強い業種1位は「飲食店」で、 前回調査の81.8％から3.3ポイント上昇した。 次いで「繊維・衣服等卸売業」（83.3％）、「食料品製造業」（80.8％）で、ワースト3業種で 「マイナス」が8割を超えた。また6位に 「飲食料品卸売業」（70.6％）が挙がり、上位10業種中、食品に関連した業種が3業種を占めた。ウクライナ情勢にえ、加速する円安で食材の輸入価格が上昇し、コストアップの深刻化がうかがえる結果となった。

　「プラス」と回答した業種1位は「ゴム製品製造業」、次いで「業務用機械器具製造業」（12.0％）、「電子部品・デバイス・電子回路製造業」（10.5％）。上位10業種中8業種を製造業が占めた。輸出産業で「プラス」もあったが、原材料の輸入価格上昇などの影響もあり、「プラス」の構成比が1割を超えたのは上位3業種のみだった。