帝国データバンクの調査によると、上場している主要飲食料品メーカー105社が10月末までに累計2万743品目を値上げした。11月単月の値上げは833品目となり、今年最多10月(6699品目)の約1割にとどまった他、5月(251品目)以来半年ぶりに1000品目を下回った。
11月の値上げ率は15%で、9〜10月の16%に次いで3番目に高い水準だった。春先から続く小麦や食用油価格の上昇に加え、原油高に伴う包装資材や容器、物流費の高騰、今夏から急速に進行した円安水準などが重なり、食品分野を問わず大幅な価格アップに踏み切るケースが多かった。
値上げを品目別に見ると、最多の食品分野は調味料(338品目)で約4割を占めた。焼肉のたれ、だし製品などで値上げが多く目立つ。
乳製品は318品目で、チーズやバターなどの値上げが相次いだ4月(395品目)に次いで、年内2番目の多さとなった。飼料価格の高騰を背景に飲用・発酵乳用途向けの生乳取引価格、ホエイなど輸入原料乳価格が上昇し、パック牛乳やヨーグルト製品、乳幼児向けの粉ミルク製品などで一斉に価格が引き上げられた。同社は、「パック牛乳は消費期限が短いため買いだめができず、また購入頻度も高いため、値上げによる消費者の心理的なインパクトは年内でも有数の大きさとなる」と予想している。
年内の値上げラッシュは10月が最大の山場であり、12月の値上げもゼリー類など局所的なものにとどまる見込みだ。一方、来年の値上げ予定品目数は2000品目を超え、その多くで「円安」が要因としてあげられている。同社は、「今後も大きく引き上げられる予定の電気・ガス代など、コスト上昇圧力が解消される望みは薄く、来年2〜3月をピークに『値上げラッシュ』が再来する可能性が高い」と分析している。
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