まず現在起こっているツイッター変革は、これまで電気自動車のテスラや、宇宙企業のスペースXなどで、ビジネスを成功させてきたマスク氏にとっては、ツイッターがビジネスとして成り立っていくために不可欠なビジネス健全化だと言える。
特に、440億ドルという大金で買った企業を、利益の出る企業に変えるのは経営者として当然であり、いくらツイッターの影響力が強くなっても、ビジネス的に成り立たなければ続かない。
マスク氏が言うように、毎月400万ドルの赤字を生んでいる以上、まず運営コストの削減は当然だと言える。しかも同氏は、解雇する人には3カ月の解雇手当を支払うとツイートで約束している。これは、本社があるカリフォルニア州では退職手当は「60日」と決められており、それに比べると破格の条件だと言える(もちろん世界的な企業だけに地域により条件は変わる)。これについては、ツイートなどを続けているので、ある意味で透明性の高いやり方であり、世界に向けて発言した以上、撤回はできまい。
ただマスク氏は、一気に社員の半数にあたる3700人ほどをレイオフしたとされるが、現在、その中でも必要な人材は呼び戻しているという。こういうやり方では、呼び戻された人たちが必要とされていると再確認でき、士気上昇につながっていくようにも思う。
さらにマスク氏は、健全化に向けて、収入源を拡大する必要があると考えた。そのために、ブルーの認証マークを7ドル99セント(約1170円)で購入させると決めたのも、理解できる。
ツイッター広告についても、早くも取引を停止した企業があるとのニュースがセンセーショナルに報じられているが、これも広告を出す側のビジネス的な判断としては、今後のツイッターの方針について様子見をしたいのは当然だろう。
また解雇された社員に混乱が起きているというが、そもそも会社がもう給料を払えないとなればそれに抗うことはできない。特に、組織が買収などで変われば、社員に影響が及ぶのは当然である。
筆者として気になるのは、このように当たり前のことをしているマスク氏とツイッターを巡って、ことさら政治問題化して「勢力争い」のように使って大騒ぎしている人たちがいることだ。
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