定年退職と言えば60歳というイメージが一般的かと思います。厚生労働省が発表した「就労条件総合調査(平成29年度)」によると一律に定年制を定めている企業のうち、60歳としている企業が最多(79.3%)でした。次が65歳(16.4%)となっています。また、定年年齢は小規模な会社ほど高いという特徴がみられます。
定年の年齢については「高年齢者等の雇用の安定等に関する法律(以下、高年齢者雇用安定法)」で制限がかけられています。
第八条 事業主がその雇用する労働者の定年の定めをする場合には、当該定年は、六十歳を下回ることができない。(但し書き以下を省略)
よって、55歳などに定年を定めることは認められません。さらに、「高年齢者雇用確保措置」として企業は労働者が希望する場合、以下のいずれかの方法で65歳まで働ける環境を整えなければなりません。
(1)定年の引上げ
(2)継続雇用制度
(3)定年の定めの廃止
(1)と(3)は分かりやすいですが、人件費の軽減、組織の若返りなどの理由から、先の就労条件総合調査を見ると8割近くの企業が60歳定年としたうえで、(2)の継続雇用制度を活用しています。
継続雇用制度には「再雇用制度」と「勤務延長制度」の2種類があります。通常使われるのが再雇用制度です。これは60歳や65歳で労働者に一旦定年で退職してもらい、改めて労働契約を締結するものです。嘱託社員は正社員当時に比べて業務の負担が軽減され、それとともに当時よりも賃金が減額となるのが一般的です。
しかし、定年を境に賃金が大幅に減額されると労働者の生計は厳しくなるため、企業が減額した賃金の一部を補填する制度も存在します。
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