スパコン「富岳」、2部門で6期連続の世界一に富士通が発表

» 2022年11月15日 13時24分 公開
[ITmedia]

 富士通と理化学研究所が共同開発したスーパーコンピュータ「富岳」が、世界のスパコンに関するランキング「HPCG(High Performance Conjugate Gradient)」「Graph500」で6期連続の1位を獲得した。HPCGは産業利用などで実際に用いられる演算能力を測り、Graph500はビッグデータの処理性能を示すランキングだ。

スーパーコンピュータ「富岳」が、2部門で6期連続の世界一に(提供:理化学研究所)

 2020年11月まで4期連続世界一だった、演算能力を評価する指標「TOP500」では米国に次いで2位、AIの性能を示す「HPL-AI」では米国、フィンランドに次ぐ3位だった。

 米国テキサス州ダラスで開催中のHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング:高性能計算技術)に関する国際会議「SC22」で、日本時間11月15日に発表された。

理化学研究所のWebサイトより

 富岳は、20年4月の試行的利用を経て21年3月に共用を開始した。以来、ライフサイエンスや防災減災、エネルギー、ものづくり、基礎科学、社会経済などの幅広い分野において、社会実装レベルで成果を創出し続けている。

 富士通は10月25日、富岳に採用されたテクノロジーをベースとした「FUJITSU Supercomputer PRIMEHPC FX1000」を含むHPC技術や、組み合わせ最適化問題を高速で解く「Fujitsu Quantum-inspired Computing Digital Annealer」など高度なコンピューティング技術やAIなどのソフトウェア技術を、専門の技術者だけでなく誰もが容易に利用できるようにクラウドサービス「Fujitsu Computing as a Service(CaaS)」として日本国内で提供を開始した。

 同社は「今後も、本サービスを通じて、これまで培ってきた技術を幅広く提供し、高機能な新材料の開発や、感染症対策、輸配送の人手不足などの社会課題解決につながるよう、お客さまとの共創を進め、取り組みを加速していく」とコメントしている。

富士通・時田隆仁社長(正式表記:「隆」は生の上に一)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.