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» 2019年09月06日 05時00分 公開

激化する人材争奪戦:NEC「新卒年収1000万円」の衝撃 年功序列の廃止か、「3流国への没落」か (1/5)

NEC、ソニー、NTTコミュニケーションズ、DeNA、富士通……。高い報酬を払ってでも新卒の優秀な技術者を採用したいという機運が高まってきた。年功序列に縛られた日本企業は果たして変われるのだろうか?

[中西享,ITmedia]

 優秀な人材を確保するために、NECは10月から研究職を対象に、新卒年収が1000万円を超える可能性がある給与を支給すると発表した。これが技術・研究系の職場に衝撃を与えている。

 大学時代の論文が高い評価を得た新卒者を対象にしていて、これまでの年功序列とは全く異なる破格の厚待遇となる。年功序列が主流である日本企業の中では、異例の取り組みだ。裏を返せば、能力のある人材を生かす給与体系に変えていかないと、グローバル競争の中では勝てない状況になりつつあることを表している。

phot AI人材の初年度の年収を最高730万円とする施策を打ち出したソニー(写真提供:ゲッティイメージズ)

ソニーは新入社員が730万円 

 AI(人工知能)、バイオテクノロジーなどの先端技術分野では、優れた研究者のアイデアが製品化につながる。そのため、大手の技術系企業は将来のヒット商品の開発につながるような「金の卵」を、のどから手が出るほど欲しがっているのだ。

 ソニーは6月から、AIなどの分野で高い能力がある新入社員を優遇する新しい制度を始めた。同社では役割(グレード)に応じた等級制度が導入されていて、その役割に基づいて給与水準を決めている。新入社員にはこれまで、一律に入社2年目の7月から「グレード」を付与していたが、採用の競争が激化していることから1年繰り上げて実施することになった。

 つまり入社後、優秀な成績を残した新入社員は、最短で1年目の7月以降、「グレード」を付与される可能性があり、それが給与にも反映されることになる。その結果、新入社員でも年収730万円に届く水準となり得るのだ。

 今回の制度改正では、新入社員の横並び運用を脱し、できる人、任せられる人にはその役割に応じてグレーディングするものであるため、社内での競争意識が高まるとみられる。

 ソニーと言えば1979年にヒットしたウォークマンを皮切りに、新しいライフスタイルを提案してきた。同社では新規事業を行う部署を設けて、新商品につながることを促してはいるが、まだ花が開いてはいないのが現状だ。今回の新制度がソニーの新たな商品に結び付くかどうか注目したい。

phot ウォークマンII WM-2(初期型)(Wikipediaより)
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