強い組織を作る人事の技
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» 2019年09月06日 05時00分 公開

激化する人材争奪戦:NEC「新卒年収1000万円」の衝撃 年功序列の廃止か、「3流国への没落」か (2/5)

[中西享,ITmedia]

人材の引き抜きを警戒

 NTTコミュニケーションズは7月から、専門職を対象に新しい人事制度を作り、即戦力の中途採用に力を入れる。国籍は問わず、ソフトウェアのエンジニアやデータサイエンティストなどを「アドバンスド・スペシャリスト」という名前の制度で、3年以内に100〜200人を採りたい方針で、最高ランクでは年俸3000万円になる可能性もあるという。その背景にはクラウドなどITの先端分野での激しい人材の引き抜き競争があり、期待されている人材の流出を防ぐための手段としても、高い給与にして引き留める必要がある。

 その背景には、いわゆるGAFA(Google、Apple、Facebook、Amazon)を含めた、国内外のIT企業との人材交流や引き抜きが激しくなっていることが挙げられる。

phot NTTコムは最高ランクで年俸3000万円(NTTコムの採用サイトより)

夢では終わらない「1億円プレイヤー」

 NTTグループではドコモ、NTTデータも同様の中途採用を実施するとしていて、最高年俸は横並びの3000万円となっている。このほか、北米のシリコンバレーに研究拠点のあるNTTリサーチ・インクは、中途採用で国籍を問わず1億円の年俸も支給する枠を設けていて、能力次第では「1億円プレイヤー」も夢ではなくなっている。

 ゲーム開発から、遺伝子検査などのヘルスケアビジネス、次世代タクシー配車アプリなど多角化戦略を進めているDeNAは、AI人材などを積極的に採用するため、17年から能力に応じて600万円〜1000万円の年収を支給する「AIスペシャリストコース」を設けている。19年度春の採用ではこのコースで10人を採用、国籍は問わないが全て日本人だったという。

 採用の判断は、書類審査、面接だけでなく、5日間ほど来社して課題に取り組んでもらい、その結果が基準になるという。採用後の評価は、技術専門性、エンジニアリング力、業務推進力、メンバー育成力、対外発信能力を多面的にみるそうで、最も重視しているのが技術専門性を発揮しつつ事業・サービスに貢献できたかどうかだ。

 同社の場合、実力主義が徹底しているので、新卒スペシャリストに限らず優秀な人が高い年収を提示されるのは特別なことではないという。入社後も会社に貢献した社員は大きく昇給し、20代で執行役員や子会社の社長になることも珍しくない。こうした風土が浸透しているため、各自がパフォーマンスを高く発揮できるよう邁進(まいしん)しているそうで、給与の低い社員が労働意欲や士気を低下させる「モラールダウン」になることはないという。

phot DeNAの採用サイト

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