沖縄の平均実収入は33万円 50年で2.6倍だが、家計圧迫の要因も1973年は13万円

» 2022年11月15日 17時02分 公開
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 りゅうぎん総合研究所は7日、調査レポート「本土復帰後の50年における県内個人消費の動向」を発表した。2020年の県民の月平均実収入は1973年比2.6倍の33万2355円となり、月平均消費支出額は72年の2.3倍の19万3303円に増えるなど、個人消費を取り巻く環境は大幅に改善した。一方で、高齢化が進み、年金や社会保険料などの「非消費支出」も増加。家計の圧迫要因ともなっている。

実収入などの推移

 「県家計調査」に基づく「総世帯のうち勤労世帯」の実収入は、73年が12万8621円だった。その後石油ショックが起き、賃金の上昇率が高水準で推移。海洋博景気やバブル景気なども後押しして93年には42万6010円と大幅上昇した。一方、90年代後半にかけてバブル崩壊や2001年に発生した米国の同時多発テロの影響を受け、観光産業が冷え込み、05年以降は横ばいで推移し、20年は33万2355円となった。

 1972年の1世帯当たりの月平均消費支出額は8万4155円。2度にわたる石油ショックに加え、89年の消費税導入や所得税減税などの税制改革があったもののバブル景気などを背景に活況を呈した。バブル崩壊後は景気低迷で緩やかに減少。2005年以降はほぼ横ばいで推移した。

 これに対し、所得税や住民税、社会保険料などの「非消費支出」は1973年の7177円(実収入に占める割合5.6%)から2020年には4万3095円(同13.0%)と約6倍に増加している。

 同研究所の担当者は、全国水準を上回る失業率や非正規雇用者率、低い所得水準など課題は残されていると指摘。「今後、県内での個人消費の拡大を目指す上で所得水準の向上や消費意欲の醸成が必要だ」と指摘する。

(政経部・知念豊)

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