ロイホのパンケーキが「テレビ番組の酷評」で、再ブレイクしそうなワケスピン経済の歩き方(3/7 ページ)

» 2022年11月29日 11時27分 公開
[窪田順生ITmedia]

リベンジが話題になる可能性

 さて、ここまで言えば筆者が何を言わんとしているかお分かりだろう。もしロイホのパンケーキが、ローソンの生ガトーショコラのように、改良を重ねて合格となったらどうだろう。酷評されて不合格になったことでこれだけ注目をされたのだから当然、そのリベンジは大きな話題になるのではないか。

 もちろん、ロイホのPRにもなるだろう。例えば、番組で合格になった後で、「ロイヤルホスト自慢のパンケーキが44年ぶりに大幅リニューアル! 一流料理人たちの意見を真摯に向き合って新しい歴史をつくります!」なんてうたい文句とともに新たなパンケーキが売り出されたら、「どれほどおいしくなったのか、ちょっと食べてみたい」と店を訪れる人はかなりいるはずだ。

 というのも、実は筆者はこの番組がオンエアされた後、審査員たちが満場一致で絶賛した「海老と帆立のシーフードドドリア」と、酷評された「パンケーキ」がどんな感じだったか確認したくて、ロイホに行ってみたら、平日の午後にもかかわらずかなり混み合っていたのだ。

ロイヤルホストの「海老と帆立のシーフードドリア」(出典:ロイヤルフードサービス)

 そして何よりも驚いたのは、そこでパンケーキを食べている人がかなりいたということだ。筆者の隣の席に座っていた男性も何かにアップするのか、パンケーキをスマホで撮ってから食べていた。

 テレビはオワコンだなんだと言われているが、やはり土曜のゴールデンタイムに放映されると、消費者の行動にダイレクトに影響が出るということなのだろう。実際、コロナ禍で人々がマスクを買い占めたことがあったが、実はあれはSNSではなくテレビの影響だということが後の調査で分かっている。

 これはつまり、「一流料理人に酷評された」ことを逆に「好機」と捉えて、定番パンケーキをリニューアルすれば、かなり話題性のあるキャンペーンができるということなのだ。

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