南海電鉄(大阪市浪速区)は、独自に運営していたコンビニエンスストア「アンスリー」を「セブン-イレブン」に転換する。南海とセブンの提携1号店となる「南海なんば駅中央口店」が12月20日、オープンした。
アンスリーは1997年、南海と京阪、阪神の3社共通ブランドとして発足し、運営は各社が担っていた。南海は今年9月、セブン‐イレブン・ジャパンと業務提携を結び、アンスリーのセブンへの転換を決め、協議を進めてきた。
今回、アンスリー創業の地である「アンスリーなんば駅中央口店」(97年7月〜22年10月25日)から“リスタート”しようと、同店舗の区画に提携1号店をオープンした。
関西の私鉄が独自に運営してきたコンビニは、これで全てなくなる。背景には、コロナ禍による鉄道利用者の減少などで、独自のコンビニ運営が難しくなった事情がある。
エイチ・ツー・オーリテイリング(H2O)は21年6月、阪急電鉄の駅ナカなどで展開する「アズナス」をローソンに転換した。京阪ホールディングス(HD)も同年12月から「アンスリー」を独自の小型スーパー「もより市」に転換した。
南海フードシステムの担当者は、阪急や京阪の動きが今回の転換のきっかけになったと話す。「独自のコンビニ運営ではレジシステムや冷蔵庫なども自前で投資する必要があり、非常に厳しい」(担当者)
南海は、大阪と和歌山に展開するアンスリーの残り17店舗についても順次、加盟店契約を結び、セブン-イレブンへと転換していく予定だ。
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