計測した結果、分かったことは何か。越智氏は実験の成果について、「今回の実験では、いわゆる“勝ちパターン”を完全に把握するところまでは至りませんでした。一方で、何を見せるかによって入店率に大きな差が出ることは分かりました」と説明する。
例えば、デジタルサイネージで会員登録の案内を流すよりも、具体的な商品を見せるほうが数値が高かった。「ブランドについてよく知らないお客さまも多いため、そういった方には会員登録のメリットを訴求するよりも、商品画像など、パッと見て分かりやすい内容のほうが効果的な可能性が高いです。肌感覚では感じていたことですが、データで可視化することであらためて確認できました」(岩本氏)
さらに岩本氏は「マネキンに着せる商品の色を変えただけでも、若干ですが差が出ています」と話す。今後、深掘りして検証していけば、視聴率や入店率を高めるパターンをより明確にできるかもしれないという。
今回実験に協力したナノ・ユニバースのように、商品のテイストや対象となる年齢層の幅が広いブランドでは、マネキンに着せるコーディネートの選択肢も多い。実験では「メンズのマネキンで、明らかに他の期間と違うテイストのコーディネートだった週は、視聴率や入店率が下がった」(越智氏)という結果が出ている。地域による客層の違いやトレンドなど、マネキンのコーディネートを決める要素はたくさんあるが、その判断材料の一つとしてデータを活用することはできそうだ。
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