まちづくりを行う場合、例えば六本木ヒルズや東京ミッドタウンのような民間資本で特定の区画に限るにしても、行政や地元の地権者、町会、商店街などと協議を重ねて慎重に進めていく。テナントもコンセプトに合ったところに入ってもらう。巨大な商業施設、複合施設が新設されると、人の流れが変わり、地域に与えるインパクトが大きすぎるからだ。
「風俗店の存在や暴力事件など、雑然とした雰囲気が漂っている。そんな池袋に景観があるのか」と主張する人もいるだろう。だからこそ池袋の暗いイメージを変えようと、真剣に取り組んできたのが高野区長でもあるのだ。
実は、豊島区は1993年に全国に先駆けて「豊島区アメニティ形成条例」を制定。美しい街並み、都市の自然や生態系、文化や歴史など地域の中で育まれてきた個性を重視した都市空間づくりに取り組み始めた。
国も、2004年に景観法を制定した。
京都府をはじめ、良好な景観を保つための条例を持っている自治体も少なくない。
そして、豊島区は景観法に基づき、15年に景観行政団体となっている。翌16年に、豊島区は「豊島区景観計画」を策定。西武池袋は、池袋駅東口周辺景観形成特別地区に指定されたエリアに入っている。
また、同年に豊島区は「国際アートカルチャー都市」構想を策定した。
池袋駅東口からグリーン大通り、サンシャイン60にかけては、豊島区の玄関口として「国際アートカルチャー都市」らしさを表現しようと、特に力を入れて整備を進めてきた。グリーン大通りの広い歩道や計画的な植樹を見れば、確かに快適になったと感じる人も多いだろう。
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