さて、西武池袋の営業状況はどうだったのか。
2021年度の全国店舗別売上高では、西武池袋本店は1540億円を売り上げて、3位である。つまり、池袋の代表店であるだけでなく、東京の、日本の代表店。1位は伊勢丹新宿本店2536億円、2位は阪急うめだ本店2006億円だった。
池袋にもう1つある、東武池袋本店は764億円。売上規模は西武の2分の1で、大差がついている。
今、池袋で起ころうとしていることは、大阪・キタの中心から阪急がなくなるとか、名古屋の栄から松坂屋がなくなるとか、東京・日本橋から高島屋や三越が撤退するのに等しいインパクトがある。今後、他の大都会の百貨店でも同様なことが起こり得る、先駆けの事例だ。
地方で頑張ってきた老舗百貨店がいよいよ閉店するとなった時に、地域住民が存続の署名を集めたり、地域の経済団体・行政がなんとか営業を続けられないかと嘆願書を持って行ったりする話が出てくるのは、わりとよくある話。必ず一悶着(ひともんちゃく)ある。
そごう・西武の22年2月期の売上高は4470億円、純損失が88億円。赤字は3期連続だ。5年前の18年2月期の売上高は6744億円、純損失が300億円だった。コロナに関係なく赤字体質で、不採算店の閉店を進めてきたが、ついにセブン&アイは諦めた。
しかし、直近の売り上げは回復してきている。そごう・西武の10月売上高は前年同月比10.9%増(19年同月比18.2%増)で、13カ月連続の前年超え。西武池袋本店はさらに好調で、前年同月比13.3%増(同23.4%増)となり、むしろコロナ前より業績が上がっている。
好調を支えているのは、プレステージブランドが前年同月比45.0%増(同110.0%増)、高級雑貨20.0%増(同120.0%増)であった。
この近況から、高野区長の「百貨店を残せ」「高級ブランドを低層階からなくすな」という主張が現実離れした愚かな意見だと言い切れるだろうか。
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