在日中国大使館(東京都港区)は1月10日、日本国民へのビザ発給を一時停止すると発表した。理由や再開時期は明らかにしておらず「再開については、改めてお知らせする」と言及するにとどめている。中国政府は、日本政府が中国からの入国者を対象に行う水際対策に反発しており、対抗措置とみられる。
中国国内での新型コロナ感染者が増加する中、外務省の発表によると、政府は中国からの入国者や帰国者全員に出国72時間前に受けたPCR検査の陰性証明書の提出や、入国時の検査を義務付け、水際対策を強化している。こうした対応に中国政府は「中国への差別的な入国制限措置に断固反対する」と批判していた。
年度末に向けて、企業が人事計画を進める中、中国のビザ発給停止は、駐在員の派遣などに影響が出る可能性がある。
ただ、Twitterなどでは識者らがゼロコロナ政策などで国民に行動制限を課していた中国もコロナ禍で経済的にダメージを受けているため、対抗措置の効果に疑問を呈する意見や、日本国内でのコロナ感染者第1号が発生源の湖北省武漢市に滞在歴がある中国人だったことから、国際法の「相互主義」に基づき、日本もビザ発給を停止し、中国からの入国者を制限するよう求める声も出ている。
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