中東初開催で、史上初めての冬開催となったサッカーワールドカップ(W杯)カタール大会。ドイツ・スペインといったW杯優勝国を撃破した日本代表や、アフリカ勢で初めてベスト4に進出したモロッコ代表、スタープレイヤーのメッシ選手率いるアルゼンチン代表の32年ぶりの優勝などに注目が集まったが、課題も露呈した大会だった。その1つが各国からの観戦者が利用する宿泊施設だ。
中でも宿不足を背景に、大会開幕直前に急きょ建設された「ファンヴィレッジ」は、1泊3万円の価格と、それに見合わないクオリティーだったことから、海外メディアや宿泊客から「ぼったくり」と批判が殺到した。記者が実際に現地に行き、宿泊者の声を聞いた。
日本企業が中心となって整備した無人運転の地下鉄「ドーハメトロ」の「フリーゾーン」駅構内を出ると、広大な駐車スペースが広がっていた。気温35度の猛暑の中、歩くこと10分程度。奥に広がる未開発の砂漠地帯と燃料貯蔵庫しかないエリアに突然宿泊施設が現れる。ファンヴィレッジだ。
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ファンヴィレッジは、1棟に大人数を収容する巨大ホテルではなく、プレハブハウスに改造した貨物コンテナを複数集積させた宿泊施設群。同じ作りで大量生産したとみられるプレハブハウスが数百棟(推定)あり、大量の観戦者の受け入れに対応した。中にはテークアウトのカフェや飲食店もあり、生活できるようになっている。
カタールW杯では、観戦者が各旅行サイトなどを使って自由に宿泊先を決めるのではなく、FIFA(国際サッカー連盟)が指定した唯一の予約サイトから宿泊施設を選ぶ形式を採用していたため、選択肢が少なかった。
公式の予約サイトの情報によると、ファンヴィレッジの価格は1泊約207米ドル(1ドル=140円レートで2万8980円)。部屋は2人部屋となっており、ベッドとシャワールーム、トイレ、冷蔵庫などを備えるという。
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