ガラガラガラガラガラ――。1月22日、ウェンディーズ・ファーストキッチンの渋谷センター街店が幕を閉じる。
「あのへんはファストフードの激戦区だからなあ。大手のハンバーガーチェーンに負けたんでしょ」「ファストフードだけでなく、飲食店が多すぎ。その影響を受けたのでは」などと思われたかもしれないが、いずれも違う。ビルの建て替えにともなって、閉店することになったのだ。
この店が誕生したのは、1978年5月のこと。池袋の超高層ビル「サンシャイン60」ができたり、24時間テレビ「愛は地球を救う」が放送されたり、キャンディーズが「普通の女の子に戻りたい」と言って引退したり。そんな年に、ファーストキッチンの3号店として“産声”をあげたのだ。
ちなみに、マクドナルドが日本に上陸したのは、1971年のこと。東京・銀座の三越百貨店に1号店を構えてから、7年後のことである。当時の日本はまだまだ「ハンバーガーが定着した」とは言えない状況の中で、ファーストキッチンの店はどのような商品を販売していたのだろうか。
40年以上前のメニューを見ていて、気になったモノが2つある。1つは「ベーコンエッグバーガー」だ。特徴はビーフパティ、ベーコンのほかに、卵を挟んでいること。いまの若い人たちは「それがどうかしたの?」と感じられるかもしれないが、当時のスタッフからはこのような声が多かった。「バンズに卵をはさむの? そんなハンバーガーは食べたことがないけれど、本当に売れるの?」と。
しかし、そんな不安も杞憂(きゆう)に終わった。若者を中心にウケにウケ、いまも主力商品のひとつとして販売しているのだ。
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